WUXGA対応 高解像度ワイド液晶ディスプレイ選び

このページは、Apple MacBook Pro に関するトピックをまとめた「myLife with MacBook Pro」で、
大変反響を呼んだ WUXGA ワイド液晶ディスプレイに関するトピックを独立させたものです。

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■ 目次

  1. 記事を読む前に・ごあいさつ
  2. ニュース・最近の更新
  3. 関連リンク集
  4. WUXGA市場の背景・歴史
  5. スペック・機能・評価一覧
  6. 目への負担について(ギラギラツブツブ
  7. 液晶ディスプレイの選び方
  8. 製品スペックの読み方・用語解説 〜間違いだらけの常識〜
  9. 製品スペックの読み方・用語解説 〜色域・色彩学編〜
  10. 液晶の駆動形式について(TNVAIPS
  11. WUXGA対応製品一覧 & ひとことコメント
  12. [レビュー] NEC MultiSync LCD2690WUXi / LCD2690WUXi製品レビュー
  13. [レビュー] NEC MultiSync LCD2490WUXi
  14. [レビュー] EIZO ColorEdge CG241W
  15. [レビュー] EIZO FlexScan SX2461W / SX2761W / SX3031W-H
  16. [レビュー] MITSUBISHI RDT261WH / RDT261WH 特集ページ
  17. [レビュー] MITSUBISHI VISEO MDT241WG / MDT241WG 特集ページ
  18. [レビュー] I-O DATA LCD-MF241X
  19. [レビュー] SHARP AQUOS Pシリーズ
  20. [レビュー] EIZO FlexScan S2411W
  21. EIZO のネガティブキャンペーンについて
  22. [レビュー] EIZO FlexScan HD2451W
  23. [レビュー] BenQ FP241VW
  24. [レビュー] Apple Cinema Display 23"
  25. 独断と偏見によるディスプレイランキング
  26. 液晶ディスプレイを快適に利用するための設定術(輝度と色温度)
  27. 今後の動向(注目パネル・業界の動き)
  28. 液晶ディスプレイに関する雑談
  29. 提携中のショップ(アフィリエイト)
  30. 特別付録液晶ディスプレイとカラーマネージメント
  31. 特別付録あつまれ!いろんなディスプレイの評価・キャリブレーション結果
  32. 特別付録FOMA F905i 3.2インチ フルワイドVGA IPS液晶ディスプレイレビュー
  33. 特別付録i1Display 2 vs Spyder3 Elite 入門キャリブレータ比較レビュー
  34. 【付録資料】 HDMI に関する補足
  35. 【付録資料】 HDMI・DVI-D ケーブル一覧
  36. 【付録資料】 廃盤になった過去の WUXGAディスプレイたち。

【ここは記事4ページ目です】 これより前のトピックは「3ページ目」をご覧下さい。

■ REVIEW : SHARP AQUOS Pシリーズ:液晶史上最も目に優しいSHARP国産ASVパネルを搭載

実売価格画質見やすさマルチメディアコストパフォーマンス総合オススメ度おすすめジャンル
110k円〜(未評価)★★★★★★★★★★(未評価)(未評価)目がナイーブな人
○ : ギラギラ皆無の目に優しい国産ASVパネル(しかも26インチモデルは亀山工場製)
× : 縦が1080ピクセルとやや狭い、デカくて白いベゼル

SHARP AQUOS Pシリーズ
※ メーカーウェブサイトより引用、写真は26インチモデル。

 2007年11月、あのシャープが突如、国産ASVパネルを搭載したフルスペックハイビジョン液晶テレビのエントリーモデル:AQUOS Pシリーズを発表しネットで騒ぎになりました。シャープのASVパネルといえば、電化製品に詳しくないおじさんでも知っている「亀山工場」を中心とする日本国内生産されている数少ないパネルであり、また目が敏感なユーザーにとっては「救世主」もしくは「唯一神」とも呼ばれるほど目に優しいパネルでも有名です。

 このPシリーズは、22インチ・26インチ・32インチの3モデルが用意されており、すべてがフルHD(1920 x 1080 pixels)のパネルです。しかし仕様はそれぞれ微妙に異なっています。まず26インチ・32インチモデルは、かの亀山工場で生産された「ブラックASVパネル」であるのに対し、22インチモデルは他工場で作られた「ふつうのASVパネル」です。また、32インチモデルは「マルチ画素」と呼ばれる特殊なピクセル配置を採用しているため、コンピュータ用には不向きです。

● 用語解説: マルチ画素

 シャープのASVパネルが採用する「VA方式」と呼ばれる液晶駆動形式のパネルでは、斜めから見ると色が薄く白っぽく見えてしまう性質があります。これを緩和するために1つのピクセルを複数に分け(ほとんどのメーカーが2エリア)、それぞれの透過率を変え、それらを使い分けることで斜めから見たときのコントラスト低下を抑えています。たとえるなら、IPS方式は自由に豊かな表情がつけられるピアノで、VA方式はフォルテ用・ピアノ用の2段に分けられたハープシコード って感じですかね・・・。ちょっと違うかな。

 この技術は、韓国Samsung の S-PVAパネル、台湾 AU Optronics の A-MVAパネルなどでも使われている一般的なものです。 しかしシャープの場合、分けたエリアが縦に二つ並んでおり、さらに水平方向に対して上下逆さまのサブピクセルが交互に並んでいるため(下図参考)、細かい線や文字を扱うコンピュータでは表示が乱れてしまいます

一般的なVAパネルのマルチ画素 SHARPのマルチ画素ブラックASVパネル
▲ 一般的なVAパネル(S-PVA、A-MVA)とSHARP ASVパネルの配列パターン比較

↓ 一般的なVAパネル ↓

↓ SHARPマルチ画素ASVパネル ↓

▲ 白い一本線を表示させたときの比較: シャープのマルチ画素配列はジグザクに見えてしまう

 コンピュータ画面の表示に用いる際、天敵となるのは「マルチ画素」ではなく、シャープ独自の配列方法であるため、混同しないよう当サイトではシャープのマルチ画素配列法を「アルタネートマルチ画素配列」と呼ぶことにします。

● アクオス Pシリーズ比較表

  LC-22P1-W LC-26P1-W LC-32P1-W
パネルサイズ 22インチ 26インチ 32インチ
パネル種類 ASV ブラックASV
消費電力 100W 124W 160W
ピクセル配列 ストライプ アルタネートマルチ
コントラスト比 1200:1 1500:1 2000:1
広色域 - -
生産工場 (不明) 亀山工場

 と、いうわけで、個人的に26インチが一番バランスが良い気がします。

● ファーストインプレッション

(実機確認: 2007/11/20 Tsukumo DOS/V館)

 まず気になるのが視野角が狭いことです。32インチモデルでも横から見ると色が白っぽくなってしまいます。視野角は相変わらずですね・・・。でも、Pシリーズは個人用TV またはコンピュータ用ディスプレイ向けですので視野角は気にしなくて良いと思います。(シビアな色再現性が求められrグラフィックデザインには使えません。)

 そして特筆すべきは、なんといってもパネル表面の質感です。ピクセルが1つ1つの形が整っており、それがキレイにギッシリ並んでいます。ナナオやアイオーデータ、DELL などのディスプレイに採用されている S-PVAパネルに見られるギラつきは一切ありません本当に美しいです。目立った表示ムラも見あたりませんし、ホワイトノイズも皆無です。こうして実物を見ると「国産液晶パネル」の凄さを嫌でも思い知らされます。目への優しさ・疲れにくさは間違いなく超一級品です。また、ベゼルを広めに設計しているおかげか、四隅の輝度落ちもほとんど見られず、Windows のタスクバー右下にある小さなデジタル時計の文字もしっかりと読めます。

 展示機ではアンテナケーブルがつながっており、地上デジタル放送を見ることが出来ました。AQUOSシリーズ全体に言えることですが、私にはどうも全体的に露出オーバー、つまり白飛び気味に見えてしまいます。個人的に好きじゃありません。そんな細かい不満点も含めて、そのときクレジットカードを持っていたら"ヤバかった"かもしれない、という感じでした(笑) あと、ホワイトカラーは嫌いではありませんが、個人的にはマットブラックモデルがほしいです・・・。

 ともかく出たばかりですので、その力は未知数です。

■ REVIEW : EIZO FlexScan S2411W.:ナナオクオリティーを世に知らしめた迷機

実売価格画質見やすさマルチメディアコストパフォーマンス総合オススメ度おすすめジャンル
(販売終了)★★★★☆★☆☆☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆★☆☆☆☆DELLからのステップアップ
週刊アスキー 液晶特集にて、唯一の「△」評価判定。(他社製品は○か◎)
○ : ナナオ独自の制御チップによる滑らかな階調再現性
× : 目に悪いギラギラノイズ、見栄えを優先した絵作り、視野角が狭い

S2411W
※ メーカーウェブサイトより引用

 S2410W にデジタル著作権保護機能: HDCPコントラスト拡張機能、輪郭補正機能、若干性能が向上したオーバードライブ回路 を追加したマイナーチェンジモデル。また純正オプションで専用遮光フードが用意されていますが何故か2万円もします。(作りはしっかりしています。)HDCPを付けた割りには「PC以外の機器との接続は一切サポートしません」と強硬姿勢。(将来、コンピューター内での動画再生における著作権保護用)たしかにインターレース映像に対応していないため、用途はかなり限られます。

 液晶史上最悪とも言うべきサムスンS-PVA パネルを採用。パネル表面には油膜が貼ったような虹色のノイズや、ラメを振りかけたような不快な乱反射があります。さらに、サンドペーパー(紙ヤスリ)で擦ったような細かい傷のようなものが水平方向に無数に走っており(※1)、画質云々以前に問題アリです。これらはいわゆる「ギラギラ」の極めつけ的症状で、ネットの一部では「目潰しパネル」や「ムスカパネル」などと酷評されています。(メーカー純正の液晶保護パネルを取り付けると見やすくなるという報告もあります。)

※1 : 最近確認した展示機にはありませんでした。
※ 注意 : 上記の「パネル表面のノイズ」の感じ方には、大きな個人差があるようです。この記事を鵜呑みにせず、必ず自分自身の目で確かめてください

 私事な話ですがイラストレータをやっている知人がいまして、このディスプレイを購入したせいで眼精疲労を起こし 今はほとんどコンピュータで絵を描いていないとのこと。現在、紙ベースのイラストを描きながら、代わりになるディスプレイを探しているそうです。彼がS2410Wを買うとき、このディスプレイの悪い噂をすでに知りながらアドバイスしなかったので、彼には申し訳ないと思っています・・・。

 パネルはさておき画像処理周りはさすが EIZO と言ったところで、優れた動画性能豊富な画像調整機能がついています。他社製品と比較しても非常になめらかな階調再現性をもちます。( NEC などと比べるとぜんぜん悪い。)また、輝度ドリフト補正など、常に安定した表示を実現する機能も搭載されています。しかしあまりに動画性能に固執してしまったため、一部の消費者からオーバードライブ機能による画質低下も指摘されています。

“EIZO社の(中間階調応答の遅い)VAパネル+ODで動画対応を強化したと言われるSファミリ.私の見た限り,S2410はかつて無いほど酷い特性です. IEのウィンドウをつかんで移動するだけでアイコンが黄色い影を引いてついてくるのがわかるなど, オーバーシュートとアンダーシュートが交互に出るのがハッキリ視認できます. 正直に言って私が知る最も酷いオーバードライブ設定であり, 副作用が大きすぎるため回路をオフにしたいのですが,ODをOFFにできるファンクションはありません.”
( 一般人無双R : 「LCDのオーバードライブは画質劣化の元?」 より引用 )

 ちなみに、EIZOのデザイナーが「最高にクール」と思いこんでいるであろう タッチパネルを使用した操作パネルは、出っ張りがなくスッキリと見える反面、誤動作が多かったり、操作部が大きくて邪魔など賛否両論のようです。#以前、スタパ齋藤 氏が酷評してました。 また、S2411W が採用する ArcSwing 2 (アークスイング2) スタンドはモニタの高さと角度の調整範囲が制限されてしまうため、非常に嫌がるユーザーも少なくありません。(好みの問題) また、かなりの遊びがあり、モニタがすぐ傾いてしまい水平が維持できない問題もしばしば指摘されています。使用者の報告によると、中にはケーブルの重みだけで傾いてしまう粗悪品もあるようです。(工作精度の低さが原因?) また、シンプルで洗練されたインダストリアルデザインが好きなマック信者の私としては、EIZOの無駄・無意味な突起やデコボコのあるデザインはどうしても好きになれません。(っていうか、ダサすぎ・・・。)

 またネット上にはニュースサイトによる S2411W. に関するレビュー記事がいくつもありますが、EIZO協賛の自画自賛記事提灯記事)が多く、さらに製品を触ったこともない評論家がS2411W.を絶賛したり(しかも、記事内の登場する画像すべてがイメージ図という悪質なもの)、画面を斜めからみると白飛びして見えなかった絵が見えてくるから凄い!と訳のわからない事言っている記事(ほめているつもりが、視野角が狭い事ことを暴露し墓穴を掘っている。)があり、「ああ、そういう類の製品なのね。」と妙に納得してしまいます。

 後述の定点ドット問題の発覚も影響してか、他の製品には見られない非常に速いスピードで販売価格が下落しました。数量限定で10万円を割るショップや、家電量販店でも11万円で販売されるようになりました。さらに、MITSUBISHI RDT261WH、NEC LCD2690WUXi、LCD2490WUXi などの品質重視の製品も登場し、WUXGAディスプレイは6〜9万円の低価格帯と、13万円以上の高画質帯に二極化しています。 S2411W はこの2つのグループのどちらにも分類できない存在になってしまいました。画質、コストパフォーマンス、マルチメディア互換性 どれをとっても中途半端なため、今この機種をあえて購入する理由は見つからないでしょう。(あるとすれば5年保証?)

[ ユーザーの評価 ]

“1週間ぶりで2410の画面見たら、1時間と経たず目の疲労が感じられる。視野角とか応答速度とかはいいんだけど、これはマジ目がヤラれるよ。TNのほうがよっぽどマシ、買おうと思ってる人はやめとけ”
掲示板「2ちゃんねる」より

“L997のサブ液晶として動画用にこれを購入しましたが、ネットで色々と叩かれている画面のギラつきはしっかりと感じました。ホント目が疲れます。 ”
kakaku.com クチコミ掲示板より

S2410W 輝度ムラ・色ムラ
▲ 輝度ムラ・色ムラ によりナナオに修理を依頼したが「正常品」として送り返された S2410W (左端が著しく青白くなっている)
kakaku.com S2410W クチコミ掲示板 より引用

DELL 2407WFP ムラ
▲ 上記 S2410W と似たムラを持った この DELL 2407WFP は メーカーが潔く無償交換に応じた。もはや EIZO のサポートレベルは DELL 以下...?
掲示板「2ちゃんねる」より引用

“色むらは個体差があり。左右で明らかに色合いが違う個体もあれば、殆ど色むらのない個体もある。明るさにも個体差あり。最小にしても眩しいものもあれば、そうでない個体もある。何台かアクオスを使ってたがこのようなことはなかった。同じ製品の中でこれほど個体差があるとがっくりくる。(中略)多少個体差があると思うが、スタンドのチルトにえらい遊びがあり、高さ角度の調整・ケーブル類の抜挿で水平が狂う。ピボット機能もないのになんでこんなに甘いんだだろう。正直大変使い難い。”
kakaku.com ユーザーレビュー imad氏

 “昨日秋葉でS2411W見てきたんだが、あんなに酷いパネルだとは思わなかった。 ほんとここで言われてるくらいの糞パネでびびった。文字を表示させずに、写真を表示してるだけでもギラツキがわかる。 誇張して言えば、皮脂がべったり付いたケータイの液晶を見てるようだった。 Cクラス液晶でも大丈夫な漏れだが、2411はムリポ。 2411にくらべたらH-IPSがネ申パネルに思えてくるくらい。 ”
掲示板「2ちゃんねる」より

 “酷くて右側2割くらい色がくすんでキメエ。 2ちゃんやkakakuでの悪い評判なんて、狭い机で調整もろくにできねー要はバカな奴が書いてるだけで 大半は満足に使えてると思ってたぜ。同じPVAのS170のが断然見易かった。当然その前のシャープLL-21620はシルクの画質。 新しい液晶にするほど糞になってくって何なんだよ。売るための派手な絵作りなんてやめて使う立場で物作れよ。EIZO見損なった。 ネットの情報少しは信用しておけば良かったよ。
掲示板「2ちゃんねる」より

■ S2411W 定点ドット欠け問題


▲ 2ちゃんねるより引用 - S2411W所有ユーザから「私のもある」「オレのも!」と次々と検証画像が公開され一時大騒ぎになった。

 2007年1月、巨大掲示板「2ちゃんねる」で、出荷された全てのS2411W. で同じ場所にドット欠けがあることが判明し、大きな騒ぎになりました。これはパネル右下に、青色の常時消灯ピクセルが1つあるとのこと。この事実を知った一部のユーザーが、EIZOに問い合わせたところ、あっけなく事実を認め、さらに驚くべき返答が帰ってきました。その内容をいくつか上げると

 このドット欠けは、画面の端にあること、常時点灯ではなく常時消灯であること、最も目立ちにくい青色であること などから使用上問題はほとんどありません。しかしEIZOの製品に品質信頼性があるからこそ、多少値が張っても購入するユーザーは少なくなかったはずです。そんなユーザーを裏切った今回の騒動は EIZOブランドに大きな傷を付けたことは間違いありません。

 ネットでは今回の問題を知的・生産的に取り扱わず、ただ騒ぎたいだけ・メーカーへの暴言に近い批判・消費者間の醜い論争 など、低い次元で盛り上がっていました(いわゆる「祭り」)が、この問題を品質管理(QC)、リスクマネージメント 、はたまたナナオ社全体の企業倫理・コンプライアンス の欠陥・欠如として真剣かつ重大に受け止めているユーザもたくさんいます。

全製品ドット欠けの注意を呼びかける販売店
日経BP デジタルARENA「Windows Vistaにぴったりの高解像度大画面液晶が10万円割れ!」記事内より引用
▲ 客に全在庫ドット欠けが存在することを告げる注意書き。あまりにも不名誉。

 それにしても医療カルテ確認用のディスプレイにドット欠けってシャレにならないと思うのですが・・・。余談ですが、S2410Wから、S2411W.にモデルチェンジする際、2万円もの値引きがされていることから「EIZOはパネル製造元のサムスンから故意に不良パネルを安く仕入れたんじゃないか!?」という噂話まで流れました。なお、この全製品ドット欠けが発覚して以来、S2411W.の販売価格は少しずつですが下がり続けて、個数限定ながらも10万円を割るショップも見られました。(不良ロット在庫がはけた後、このような大々的な値引きは行われなくなったため、ドット欠け問題と販売価格は何らかの関係はあったでしょう。)

● 崩壊した「ドット欠け交換保証サービス」

 そして、この問題でもっとも大きな迷惑を被ったのが販売店です。液晶ディスプレイを販売しているショップの一部は、液晶にドット欠けがあった場合、他の在庫と取り替えてくれる「ドット欠け交換保証」サービスを独自に行っています。一部のショップでは万が一連続してドット欠け有りの個体を引き当ててしまった場合、本人立ち会いのもと店頭でドット欠けがない個体が見つかるまで店内の在庫を開封していくそうです。もうお分かりでしょうが、このルールをS2411W.に適応したため大変なことになったのです。店にある数十台の在庫をすべて開封してテストしても、そのすべてにドット欠けが存在したからです。結局、店は異例の返品による事態収拾を行ったそうです。もし、この開封した製品が新品として売れない場合、店は大損害を被ることになります。しかしこれは販売店独自のサービスのため、ナナオに文句を言うことは出来ません。(ツクモがつぶれたらナナオのせいですね(笑) )また何度も店に足を運んだ客の交通費と時間、10kg以上ある液晶を持って飛び回った労力も決して無視できません。

 “以前ドット欠けで投稿したのですがどうも単なるドット欠けでは無い様なので新規で投稿します。S2411Wロット不良らしきもの発見しました。 ベターで妥協しようと思ったのですが、購入店のツクモのなんば店に一応交換時にその場でチェックが可能かどうか聞いたら3回の交換権利を1回にするなら可能と返事を頂いたので交換に行きました。 その場でチェックしてもらったら同じ場所で青が消灯してました。 店員に相談して4階に中古扱いで出ていた3台のモニターもテストしてもらったら同じ場所で青消灯。 同じ店で同じ商品が同じ場所に同じ色でドット抜け、しかも5台も。 これって明らかにロット不良ですよね。「ロット不良でもドット抜けは不良品にあらず」がNANAOの方針でしょうか?
kakaku.com クチコミ掲示板 より PC-FXGA氏

● ドット欠けディスプレイを購入してしまった方へ

 ささやかながら、気を紛らわせる壁紙をご用意しました、ご利用ください。さらに慰めがほしい方は、PDF版を印刷し部屋にお飾りください。

● 関連リンク

■ EIZO のネガティブキャンペーン・セールスポリシー について

※ このセクションでは、主に私の実体験を元にしていますが、一部ネット上でのユーザークチコミ情報など事実確認が取れない事柄も含まれています。「風の噂」程度に構えてお読み下さい。

[ 他社ライバル機の販売妨害工作 - RDT261WHトーンジャンプ事件 - ]

 三菱 RDT261WH が発売されて間もない頃、私は現物を見てみようとオタクの聖地(言い方古すぎ?)東京の秋葉原にある「 ヨドバシ Akiba 」へと足を運びました。2階のPC消耗品・周辺機器フロアでは、エスカレーターであがった目の前に WUXGA特設コーナーができており、EIZO S2411W、MITSUBISHI RDT261WH、BenQ FP241W、I-O DATA LCD-TV241X のホットなディスプレイがずらりと展示されていました。

 さっそく RDT261WH を見たのですが、明らかに他のディスプレイよりもひどい画質でした。「どうせ、客が変な設定にして帰ったんだろう」と思いつつ、スタンドの動きや、斜めからみて視野角をチェックしていたところ、隣のお客が店員に「S2411WかRDT261WHか悩んでいる」という相談をしていました。すると店員は、棚の裏にあったデモ用コンピュータをいじり始め、デモスライドショーを止め、用意してあったB/W、R、G、B の各種グラデーションパターンを表示しました。すると RDT261WH だけ恐ろしいほどトーンジャンプが発生ました。そして店員は得意げに

「こちら(RDT261WH)は決して悪くないディスプレイですが、やはり(S2411Wを指さして)これが EIZO の映像処理技術です!」

と力説していました。ここで疑問に思った点がいくつか。

 このあと、この販売促進員が居なくなったスキを狙って RDT261WH の設定を見てみましたが特に変な設定はされておらず、DVモードも「テキストモード」とトーンジャンプがでないモードでした。 念のため工場出荷時設定に戻したり、色空間をsRGBに限定したりしましたが症状は変わりませんでした。

 不信に思った私は、同じく秋葉原にある有名なショップ「Tsukumo e.X. モニタ王国」に足を運びました。(個人的には適正な展示をしていると信じています。)するとここでは、RDT261WHのほうが明らかに美しく感じられました。これに比べて、S2411Wはどういえば良いかわかりませんが「鮮やかなのに色が薄い」という不思議な印象をうけました。おそらくこれが、S2410Wの評価で聞く、素人だましなコントラストが高いだけの「メリハリがついたダイナミックな映像!」なんだろうなと感じました。他のショップにも行ってみましたが、受ける印象はツクモでの印象と同じものでした。つまりヨドバシカメラで見た RDT261WH だけ異常に画質が悪かったことがわかりました。

 その後ネットで調べたところヨドバシカメラの展示機では「DVIの転送レートを下げると、RDT261WH の表示に必要な情報量が伝送できなくなり画質が破綻する」というトリックが使われていたことがわかりました。(なぜ異常に赤かったのかは未だ不明。)

 私は週に一度はヨドバシカメラに寄るのですが、そのたびに RDT261WH のセッティングがめちゃくちゃにされています。また、アイオーデータなど他社のディスプレイも酷いセッティングになっていることもしばしば見かけます。これは主にお客さんが設定をいじくりまわして、そのままにしていったのが原因と考えられますが、なぜかナナオのディスプレイだけは絶対にめちゃくちゃにされません。まあ偶然でしょうけどね。(謎)

▶ ミニコラム「臭いものには蓋をせよ!定点ドット欠け隠し」

 EIZO FlexScan S2411W の定点ドット欠け問題がネットを賑わせていた頃、全国のヨドバシカメラ各店で奇妙な現象が起こりました。とある店ではPCに接続されていたS2411Wと、デジタルテレビチューナやテレビゲーム機に接続されていたS2411Wの2台が展示されていましたが、前者のデモ機が撤去されました。また他のある店では、コンピュータとの接続がカットされました。つまり、S2411Wはコンピュータ用液晶ディスプレイであるのにも関わらず、コンピュータの映像が一切表示されないようにセッティングされたのです。ところで、AV機器の映像のアスペクト比は16:9で、16:10のコンピュータ用ワイドディスプレイで表示すると画面上下に黒帯ができます。 つまりS2411Wの定点ドット欠け部分が常に何も表示されないため、ドット欠けがバレないわけです。またヨドバシカメラ以外のとある店では、わざとらしく値札が製品右下に貼られており、画面の右下が見えなくなっていました。他の製品は、あたりまえですが画面にかぶらないように値札が貼られていました。

まあ、偶然ですよねきっと。(謎)

[ 掘れば掘るほどでてくる NANAO の妨害行為 ]

 ユーザーが製品についてディスカッションできるいくつかのサイト(某ちゃんねるを含む)を見回ったところ、RDT261WHを酷評している人の多くがヨドバシカメラで実機を見ている事がわかりました。さらに、EIZO販売促進員 がいるショップでは、EIZOに有利、もしくは他社製品に不利なセッティングを行っている報告が多数存在することもわかりました。例えば、

 もちろんこれらの事例が、ただの偶然、考えすぎである可能性は十分あります。たとえそれが事実でも「ナナオの営業部門ががんばっている」と言うことも出来るでしょうが、個人的にあまりにやり方が汚いと思います。 少なくとも、このような EIZOの販売促進員が常駐しているようなショップで液晶ディスプレイを比較しないことをおすすめします。また家電量販店の多くは、ずさんな 環境でディスプレイが稼働しているためシビアな比較はできません。 高性能な DVI-D分配機は数十万円から100万円します。これらの適切な機材を導入してデモを行っているショップはわずかなのが現状です。

 “RDT261WHとどっちがいいの? と、何も知らない振りしてナナオの拡販員に聞いてみた。 白黒グラデーションを写して、RDT261WHが鮮やかに短冊になってる所をアピールしてきた。しかし、261の短冊は、そんなに綺麗に等間隔には出ないんですよ、おにーさん。 と言ってやったら、黙り込んじゃった。。。ヤラセ確定。
掲示板「2ちゃんねる」より

 “ちょっと前に話題になってた、ヨドバシ梅田に行ってきた。 液晶モニタコーナーに、オレンジの"EIZO"ロゴ入りベストを着た、 ヨドバシ店員の制服?(ブルーのシャツに変な色のズボン)を着てない人(つまりEIZOからの派遣?)が、 EIZOのパンフを片手にすたんばってて、その時点で納得した。 MDT241WGの参考展示品は、なぜかPCではなくメディアサーバーに接続され、 720or1080のWMVHDソースを流せるようになってた(ただしループになっておらず、要操作)。
笑ったのが261のほうで、大画面ワイド液晶を4つだか6つだか並べて展示してあるのだけど、 261だけ明らかに色がおかしかったので設定をリセットしたら、一番綺麗になった。 一番下の段でああも綺麗に映ると、斜め上においてある2411が実に要らない子に見えてしまう。 L567→L997と買ってきたEIZO信者だけど、正直いまのEIZOはありえなす。 ”
掲示板「2ちゃんねる」より

 “A : 昨日有楽町ビックにEIZO工作員いたぞ。 EIZOの服を着て、せっせとサムスンの競合製品の設定いじってた。 遠目でしか見てなかったからよくわからんけど。あと、置いてあったRDT261WHの色が妙に薄くてぼやけてた。 自分で使ってるのと全然印象が違った。
B : たしか有楽町ビックは、RDT261WHに変な解像度の映像ぶっこんでたきがす。
A : やっぱりな。おかしいと思ったもん。EIZOのだけは妙に綺麗だった。 で、何かサムスンの22ワイド(はっきり覚えてない)のOSDメニュー弄ってたぜ。 テキストやらフォトやら色々と。
C : 愛知から新幹線で買い物に行ってた田舎者なんでさ、 「ほんとに東京にはEIZO工作員って居るんだw」ってビックリしたw “”
掲示板「2ちゃんねる」より

(補足)販売促進員 と 販売促進グッズを着た店員 に注意
実は、メーカーのロゴが入っているからそのメーカーの「販売促進員」俗に言う「工作員」、というわけではありません。メーカーからは、メーカーや商品のアピールをするために、販売促進グッズ・いわゆる「販促用小道具」が送られてきます。これらは、よく量販店で見かけるポスター、展示用パネル、商品につける帯、客に配る小道具(ポケットティッシュ、風船、うちわ、ポストカード等々) などのことですが、ときどき、メーカーのロゴが入った派手なハッピや、メガホン、キャップ(帽子)、たすき、マスコットキャラクターの人形 なども送られてきます。 これらの小道具は、その商品が置かれている売り場を担当する店員が身につけます。でも彼らはあくまで「店員」であり、そのメーカーの商品をひいきすることはありません。ですから、たとえばプリンタコーナーで、Canonのハッピを着た「キレイなおねーちゃん」店員がエプソンのプリンタを売り、逆にEPSONのハッピを着た店員がキヤノンのプリンタを売っている という奇妙な光景がたびたび見られたりします。 一方、販売促進員はメーカーから派遣されたメーカーの「社員」です。彼らは基本的に、そのメーカーの商品を売るためだけに活動します。これら2種類の店員の見分けは難しいですが、商品選びに悩んだときは、日や店を変えて複数の店員(エキスパート)からアドバイスをもらうことが重要です。いまあなたが見ているこの記事を含め、他者の意見には多かれ少なかれ偏見や誤情報が含まれています。多方面から情報を収集し、自分に最もあった商品を選んでください。

 この話とは別に、初代 S2410W 発売当時からこの機種だけEIZOによるコマーシャルスライドが流されており、他の製品と画質を比べられないという問題がしばしば指摘されています。そのオリジナルスライドショーは大変良くできていて、製品の魅力を十二分にアピールしています。(さらに遠目でみても1機種だけ違う映像が流れているため目にとまります。)でも本当に自社の製品に自信があるならば、他の製品と同じく統一したソースを表示し消費者にその品質を体感してもらうのが妥当だと私は考えます。(店員さんにいえば切り替えてくれるそうですが。)

[ マルチメディア対応ディスプレイでも他社製品の妨害工作 - MDT241WG と 2台のプレステ3事件 - ]

 EIZOからの新提案 "デスクトップ・ハイビジョン" を実現する EIZO FlexScan HD2441W の販売が開始され、私がいつも行く ヨドバシ Akiba でも製品展示が開始されました。デモ機はマルチメディア対応次世代液晶ディスプレイの走りであり、最大のライバルである MITSUBISHI VISEO MDT241WG の隣におかれていました。これら2台のディスプレイには SCEI PLAYSTATION 3 の同じフルHDデモ映像が流されており、位置も隣同士であることから画質のガチンコ勝負ができる状態になっていました。

 2台の映像を見比べてみると明らかに EIZO HD2441W のほうが優れていました。MDT241WG は黒が浮いてしまっており、ピントが外れたような眠たい画像になっています。しかし両者を見比べてみるとある違和感を感じました。2機種で流されている映像は同じものなのですが、やや時間的にズレているのです。他の買い物をして、30分ほどたった後売り場に戻ったところ映像のずれはさらに大きくなっていました。調べてみると、この2機種に流れている映像はなんと別々の PLAYSTATION 3 が使われていたのです。

 一般的に、このような場合 HDCP対応HDMI分配機を使うのが常識です。(かなり高価ですが・・・)別々の映像ソースを用意したことにより店側はそれの同期をとるため、定期的に「せーの!」で2台のPS3の電源を同時に入れ直さなければなりません。なぜこんな機材も労力もかかる方法を取っているかというと、これにはナナオの極めて悪質な策略が含まれていました。実は、EIZO HD2441W につながっているPS3 は最高品位である 1080p (D5) で出力し、VISEO MDT241WG につながっているPS3は 1080i (D3) にダウンコンバートされ出力する設定になっていたのです。また、MDT241WGの黒浮き・白沈みは、EIZO に繋がっているPS3のみ「フルRGB」出力に設定されていたためと考えられます。(あくまで予想)結果、2機種が映し出す映像を見比べれば、EIZO の方が俄然キレイに見えるわけです。

 RDT261WH のトーンジャンプ事件の時と同じように、EIZOの販促員さんはお客さんを捕まえて、他社を批判して同社の映像技術をアピールしていました。私が店に行ったときは、人の良さそうな初老のご夫婦を捕まえて力説していました。ディスプレイに関する知識や、このような裏工作が行われていることを知らなければ、消費者は間違いなく EIZO のを選ぶと思います。

 しかしこれらの姑息な行為を続ければ、いずれ消費者からの信頼をすべて失うことになるでしょう。私も EIZO の CRT を愛用していましたが、このような卑劣な行為を見てしまうと、同社の製品は二度と買うまいと思ってしまいます。

 “さっきヨドバシAKIBAに寄って何となくMDT241とHD2441を見比べたんだけどどうもMDT241の写りに 違和感を感じたんだよね。 で、ちょっと見てみると何故かMDT241の入力が1080i・・・。 そして隣のHD2441は1080p・・・。写っているソースは同じで近くにはNANAO販売員が得意げに「他社の批判はしたくないんですが・・・」 等と客に説明している始末。俺これでもL557とのDUALで使っていたりするので正直嫌悪感を覚えた。 miyahanのページで知っているつもりだったけど目の前でやられるとインパクトあるよ。”

“まったく馬鹿にするのもいい加減にしろと言いたい! 表向きはユーザの意見を聞くとか言っているし、マジむかつく!! ”

“ナナオユーザだが、あの店頭デモは正直ひくわ 。2chの僻地での印象なんてどうでもよくて(どうせ表になんて出てこないし)、売れればいいんだろうな ”

“インチキデモは引くって言うか、そこまでしないと自社の製品を販促出来ないんじゃないかと今の品質を疑ってしまう ”
掲示板「2ちゃんねる」より

 “アキバヨドでナナオ液晶と隣同士になってたので見比べたんだけど、ナナオはくっきりはっきり、三菱は妙に白んでボヤけた印象。 何故か映像がズレてるの見てニヤニヤしながらスルー。 ソフマップでエースコンバットのPV?流してたのも見たんですけど確かに空を見てると結構色つぶれてました。 あれがトーンジャンプだったのかな?リッジの映像も流れてたけど、こっちは違和感無かったですね。 昨日適当に見回って99が119,800の送料無料で一番安かったのでそこで買ってきました。”
掲示板「2ちゃんねる」の 三菱 MDT241WG 購入者より( 99 : Tsukumo・九十九電機 のこと)

[ 関連リンク ]

■ REVIEW : EIZO FlexScan HD2451W:実は高性能、でも店で売らない。

実売価格画質見やすさマルチメディアコストパフォーマンス総合オススメ度おすすめジャンル
150k円 (非一般販売)★★★★☆★☆☆☆☆★★★★★★★★☆☆★★★☆☆マルチメディア
○ : コンピュータ映像も、AV映像も完璧にこなすオールラウンドプレイヤー。
× : 目に悪いギラギラノイズ。直営店限定発売。

EIZO HD2451W
※ メーカーウェブサイトより引用

 MITSUBISHI の完全無敵AV対応ディスプレイ「VISEO MDT241WG」発売直前、後を追うようにこの HD2451W がリリースされました。 メーカーウェブサイトをみると「EIZOからの新提案 "デスクトップ・ハイビジョン"」、「デスクトップはハイビジョンへ」など、世界のトップブランドがまた新たなジャンルを開拓しました! と言わんばかりの宣伝文句がちりばめられていますが、三菱ディスプレイの RDT261WH、MDT241WG の最強タッグ(しかも先発)を前にしては、魅力を感じにくいと言わざるを得ません。

 マルチメディア関連機能以外、すべて S2411W とほぼ同じスペックを持っています。 つまり、定点ドット欠け問題S2411Wの章を参照)を起こした張本人であり、 液晶史上最悪の「ギラギラ」のノイズを持つ悪名高い サムスン S-PVAパネルを引き続き採用しています。これは多くの消費者の予想や希望に反した結果でしょう。 筐体デザインも操作部を除き全く一緒で、間に合わせで作ったという印象を持ってしまいます。S2410W の頃からこの "下ぶくれ"デザインが好きになれないユーザーが多かったため、今回はより好き嫌いが分かれそうです。

 このモデルから従来のホワイトシルバー・ブラックに加え、新色:チタニウムシルバーが用意されています。このチタニウムシルバーは、わずか1ヶ月前に S2411W の限定カラーモデルとして EIZO直営店「EIZO Direct」 にて完全予約制で販売されていました。「数量限定」というエサで消費者を煽り、そのあとにレギュラー入りとは相変わらずあくどい商売をしていますね・・・。 ただ、ピカピカ下品に光る「ピアノブラック」1種の MDT241WG に対し、マット調で複数のカラーリングが選べるのは大きなメリットでしょう。

 肝心のマルチメディア互換性は、入力端子でみると HDMI端子2系統、D端子、S端子、コンポジット端子 と MDT241WG と全く同じのガチンコ勝負です。 ドットバイドットへの対応や、アスペクト比の強制固定(4:3、16:9)も2機種とも対応しています。それに加え、MDT241WG にはゲーマーが大喜びしそうな、黒画面挿入による動画ブレ低減機能遅延短縮機能(スルーモード搭載) 、非スムージング2倍拡大表示 などの機能を備えています。一方、HD2451W は、USBオーディオ機能や、音声ミックス機能、USB切換機能、従来から好評の「ScreenManager」など、画面表示や画質とは関係ない「付加価値」的な部分に強みを持っています。(詳しくは、MDT241WG 特集ページ内の比較表を参照)

 ネットで MDT241WG の最低輝度についての議論が活発だったため、HD2451W の輝度調整機能についてナナオに問い合わせしてみました。三菱ディスプレイは「150cd/m2です。」と即答(数分待たされましたが)してくれた一方、ナナオは明日までに折り返し連絡するとのことでした。さぞ詳しい回答をしてくれるんだろうと期待して待っていましたが、その回答は「一切非公開。」の一点張りでした。がっかり...。 そのかわり、FlexScan HDシリーズは、S2411W などの従来機種と比べてより輝度が落とせるという情報をいただきました。ところで、他のユーザーが私と同様の問い合わせを行ったらしく、またその回答文を公開していましたが、私が受け取った回答文と全く同じものでした。どうやらこの質問はサポートセンター内にてテンプレート化されているようです。 なんだかなぁ・・・。

 そして最も注意すべきなのは販売形態です。この HD2451W はナナオのオンライン直営店「EIZO Direct」でのみ販売されます。 販売価格は15万円固定で、値引きされる可能性は極めて低いでしょう。 また、一部の販売店が独自に行っている ドット欠け交換保証サービスが利用できないのも一部のユーザーには大きな不安要素になりそうです。15万円というと、37インチフルHD対応液晶テレビが買える値段です。発売前(あまり値下げされていない)の段階で既にライバルの MITSUBISHI VISEO MDT241WG と3万円近い価格差を開けられているため、コストパフォーマンスの点からもかなり苦戦を強いられると予想されます。

[ インプレッション (HD2441W) ]

 まず目を引く「スライドバー」ですが、写真で見るよりは目立たないものの、やはり間抜けな形です(笑)。ですが iPod のような直感的な操作ができます。(それにしてもこのスライドバー、おもいっきり Apple iPhone のパクりですよね・・・。)ただ、ENTERキーに相当するタッチ操作(マウスで言うクリック)をするときに、スライド操作と誤認識してしまいイラつくことがたびたびありました。操作の信頼性はメカニカルボタンにはかないませんね。三菱がジョイスティックによる2次元座標的インターフェースを搭載し、ナナオがスライドバーによる1次元的インターフェースを搭載したことで、他社もこれから様々な工夫をしてくるかもしれません。

 まず画質ですが、一部の噂とは裏腹にギラギラは全く改善されていません。また、グレイ表示時に Acer AL2623W ような砂嵐ノイズが出ています。(パネルに起因するギラつきとは違うもの。)このノイズは、3万円で売っている疑似フルカラーTN液晶ディスプレイ並と言わざるを得ません。 ぱっと見、MDT241WG よりもアンダー気味の絵作り(というか MDT241WG がアッパーすぎる)ですが、よく見ると人肌のハイライトが白飛びしており、フォトレタッチなどでは使えないと感じました。スペック上でも、ルックアップテーブル精度が落ちていたり、ガンマ調整などの機能が省かれているらしいので、画質を要求するのは酷かもしれません。

 中間調のノイズや、ハイライト部の白飛びなどは、S2411Wでは気になったことがないので、やはり静止画質と動画性能・AV互換性は両立できないということでしょうか。まあ、NECのハイエンドシリーズがオーバードライブをオフにして出荷されている事が全てを語っているような気もしますが・・・。

 そして肝心の マルチメディア・動画性能ですが、PLAYSTATION 3 とのHDMIデジタル接続では非常に滑らかで美しい絵を描いてくれます。 MDT241WG に見られる同期ズレによる画像の寸断もなくスムーズに動いています。 また、480i/480p (D1/D2) のスクイーズ信号も正常に表示できます。

 MITSUBISHI VISEO MDT241WG がスタートダッシュで思いっきりコケたことから、HD2451W に注目が集まっています。 目立った欠陥もないことから、ギラギラが全然気にならず、かつシビアな画質を要求しないのであれば HD2451W は(価格を除けば)ベストバイモニタになるかもしれません。

[ 留意点(ライバル機と比べて) ]

[ ビデオ入力の表示方法 ]

HD2451W ドットバイドット アスペクト比拡大 アンダースキャン
4:3 ×(強制拡大) ×(強制オーバースキャン)
レターボックス ×(強制拡大) ×(強制オーバースキャン)
16:9 480i / 480p ×(強制拡大) ×(強制オーバースキャン)
16:9 720p ×(強制拡大)
16:9 1080i / 1080p
※ オーバースキャン: 映像のサイズが数パーセント拡大され、画面の一部がはみ出して見えなくなる表示方式。

[ リンク集 ]

■ REVIEW : BenQ FP241WV:唯一残った AUO A-MVAパネル搭載機

実売価格画質見やすさマルチメディアコストパフォーマンス総合オススメ度おすすめジャンル
80k円★★☆☆☆★★★★★★★★★☆★★★☆☆ ★★★☆☆ ゲーム・リビングユース

U.C.

■ REVIEW : Apple Cinema Display 23":いまや見た目だけの存在

実売価格画質見やすさマルチメディアコストパフォーマンス総合オススメ度おすすめジャンル
115k円★★★☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆デザイン重視
○ : アップルによる洗練された意匠デザイン。初期設定時の高精度なガンマバランス。
× : 1系統入力、設定項目が輝度しかない、旧式LG-IPSパネルによるギラギラノイズ。

Apple CinemaDisplay 23
※ メーカーウェブサイトより引用

 いち早く WUXGA対応パネルを搭載した高解像度ワイドディスプレイの先駆者であるアップルシネマディスプレイ。ポリカーボネートの美しい透明な筐体は多くのマックファン、クリエーターに受け入れられ、「とうとう(グラフィックを扱う)仕事にも液晶を使う時代がやってきた」と感じたものです。当時は、IDTech DD-IPSパネルや、旧世代 LG-IPSパネルを採用していました。

 その後、メジャーモデルチェンジによってアップル独自の「ADC」( Apple Display Connecter ) が廃止され、 Windowsマシンにも使える標準的な「DVI-I」を採用、酸化膜コーティングアルミニウム筐体の採用(ベゼルが飛躍的に細くなった)、iMac G5 にも採用されている動かしやすいスタンドなど、初代モデルから多くの点が洗練されました。また、2560 x 1600ピクセルという広大なスペースを持つ、30インチシネマディスプレイもこのときに発表されました。

 しかし、メジャーモデルチェンジした際に粗悪なLG-IPSパネルに変更されてしまいました。表面のギラギラはかなり酷く、EIZO S2410W、同 S2411WDELL 2407WFP 並に気になります。さらにその後の仕様変更により、30インチシネマディスプレイも画質の悪いパネルに変更されてしまいました。パネルの変更(改悪)のたびに価格が安くなっており、「値が張っても良いから、高画質なディスプレイを作ってほしい」と願うユーザーがたくさんいます。

 またディスプレイは輝度のみしか調整できず、ほかはすべてコンピュータ上で行うという主義を取っています。出荷時にほぼ完璧に色が合っていることから、とうぶん問題は起きないでしょうが、経年劣化によりコンピュータ側だけで補正しきれなくならないかやや心配です。スタンドの調整は上下のチルトのみです。別売りのアダプタを使うことで VESAマウントに対応します。でも、アームを買うくらいなら他のディスプレイを買った方がよいでしょう。

 度重なるパネル改悪や、発売当初に画面が赤みを帯びる不良が発生したりと、あまり良いイメージをもちません。しかし、プロの間ではたいへん人気があり、テレビに登場するグラフィックデザイナー、イラストレータ、ミュージシャン、科学者 などの多くが、「やらせじゃないの?」と思うほど、Power Mac G5・MacPro と Cinema Display (とiPod)のセットを使っている風景がよく映ります。

[ ユーザーの評価 ]

“シネマ23を使い始め、半年位して CRTの時には全く感じなかった目の痛みで長時間の作業が出来なくな り、そのうち頭痛まで覚え始め、輝度を下げても耐えられなくなったんでL997にした。”
掲示板「2ちゃんねる」より

これ以降のトピックは「5ページ目」をご覧下さい。

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