このページは、Apple MacBook Pro に関するトピックをまとめた「myLife with MacBook Pro」で、
大変反響を呼んだ WUXGA ワイド液晶ディスプレイに関するトピックを独立させたものです。
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※ メーカーウェブサイトより引用
ポテンシャルの高いパネルを使いながらもマルチメディアに重みを置いた MITSUBISHI RDT261WH、見事に消費者の期待を裏切った EIZO S2411W のどちらも満足できなかった画質にこだわる最後の「難民」を救ったのがこの LCD2690WUXi。同社プロフェッショナルシリーズのフラッグシップモデル、MultiSync LCD2190UXi にも搭載され、すでに高い評価を得ている ムラ補正機能(MURACOMP)、インテリジェントなオーバードライブ機能:RESPONSE IMPROVE回路(GtoG : 8 ms )、12ビットガンマ調節機能、ハードウェアキャリブレーション対応 などの高度な機能を惜しみなく投入しています。
さらに最新の LG H-IPS パネルの採用により、ツブ・ギラ現象の大幅な改善、AdobeRGBをほぼカバーする広色域を実現。このような EIZO の ColorEdge シリーズに迫る性能・機能を持ちながら20万円弱という驚異的低価格を実現しています。別売りの専用キャリブレーションソフトウェア「SpectraNavi」と、測定器(Eye-Oneシリーズと、OPTIX XRシリーズに対応)により コンピュータからの映像情報を一切劣化させないキャリブレーションが可能です。これまで「グラフィッククリエーターの定番中の定番」と言われてきた EIZO L997 をも凌駕する完璧なガンマカーブを描きます。
映像入力は、D-sub mini 15pin、および DVI-I ×2 の3系統と豊富で、DVIは HDCP にも対応しています。そのかわり RDT261WH ほどのソース互換性はありません。( Playstation 3 くらいはちゃんと映るそうです)また、動画性能も特に良いわけではありません。動画を扱うクリエーターは確認した方がよいでしょう。特に、コアゲーマーには著しく不向き、言い換えれば「不相応」「お門違い」な製品です。
※ NEC Displays : MultiSync LCD2690WUXi については 製品レビュー を用意しています。併せて是非ご覧ください。
上記、LCD2690WUXi のスペックをほぼそのまま受け継いだ 24.1インチモデル。パネルの色域は NTSC比72%(sRGB準拠)ですが、H-IPSパネル のハイコントラスト、ギラギラ・ツブツブの劇的改善、極めて広い視野角などの恩恵を受けることが出来ます。LCD2690WUXi は18万円前後の価格から「魅力的だが高すぎる!」と泣く泣く候補から外す人も少なくなかったと思います。LCD2490WUXi はそれよりリーズナブルに NEC 90シリーズを手に入れられる素晴らしいソリューションになるでしょう。HDCPにも対応した豊富な3系統入力、ピボット対応、ハードウェアキャリブレーション対応、ムラ補正機能、12bit ガンマ補正 などこれ以上何を望めばよいのか悩んでしまうほどの、超高性能なディスプレイに仕上がっています。
本体は 他の MultiSync 90 シリーズと同じデザインの筐体を使用しています。ベゼルが非常に薄く、シンプルかつ機能的に仕上げたボディーはグッドデザイン賞に選ばれています。画面本体が非常に分厚く、角張った無骨な印象を与えますが、どこかガンコ職人の気質なようなものを感じます。IBM ThinkPad のようなゴツさのなかにある一種の機能美を感じます。右下に配置された操作ボタン群が非常にユニークで、左右カーソルが横、上下カーソルが縦に配置されているため、直感的に操作を行うことができます。(アフォーダンスが確保されたデザイン。) スタンドも良くできていて 10kg 近くある本体を片手で楽々、上下・左右に向けたりピボットできます。しかしこのスタンドの奥行きが大きく、狭い机では画面表面が必要以上に手前に来てしまう場合があります。購入前にスペックシートと、机の大きさをよく確認しておきましょう。(特に机の奥が壁などにくっついている環境の人。)100 x 100 mm または、200 x 100 mm VESAマウントに対応しているので、アームを買うのも手でしょう。(ただし耐荷重に注意)
ここで海外のコンピュータ情報サイト「PC World」でのレビュー記事を紹介します。まず、総合評価は3.5 STAR / 5 STARとなかなかの辛口評価でが、より高い評価(4STAR・4.5STAR)を受けている機種を見ると画質的にどうしようもないモデルばかりなので、どちらかというとコストパフォーマンス(しかもコスト重視)の評価であると言えるでしょう。(グラフィックデザイナーのためのサイトではないので仕方ありません。)
まず筆者は、LCD2490WUXi が他の24インチディスプレイに比べて非常に分厚く、机の大きな面積を占めてしまうことを述べています。その通りですね。 表示された映像はシャープであり、砂嵐ノイズ・モアレ・パターンノイズなども一切無い素晴らしいものだと高く評価しています。発色も非常に正確で、生き生きとした色を表現することができるため、プロのグラフィックデザイナーも満足できるだろうと評価しています。斜めから見ても色のシフトが無く、数人でディスプレイを取り囲んで見るときに重宝するだろうと述べています。調整項目も非常に豊富です。
一方で、LCD2490WUXi の問題点についても言及しています。まず画面の下部にムラがあることを指摘していますが、さほど大きな問題ではないとも述べています。また特に暗部でコントラスト(ガンマの事だと思われる)が不安定になることを指摘しています。しかしこれも同様に大きな問題ではないとしています。 この問題については、私も LCD2690WUXi で確認しています。これはディスプレイの初期設定が、ガンマカーブのリニアリティより、コントラスト比を重視したセッティングがなされているためです。これはハードウェアキャリブレーションを行えば解消できるので全く問題ありません。そして筆者は一部の個体からかすかなノイズ音が聞こえる事を指摘しています。(おそらくインバーターノイズでしょう。)
最後に筆者は、LCD2490WUXi を「最も優れたディスプレイではないが、高性能・大画面で様々な用途に使える製品だ。」と評価しています。全体的に見て、優れた点が非常に多く、劣った点はほとんど実害がないとしています。それで 3.5 STAR という低めの評価は、販売価格によるものだと思います。このレビューでは LCD2490WUXi の実売価格を「$2179.00」としていますが、これは日本円にして約 224,000円です。(AUD to YEN in 2007/8/9 ) たしかにこれでは高すぎですね・・・。(苦笑)
NEC MultiSync 90シリーズの最大の特徴の一つに、ムラ補正機能:MURACOMP(ムラコンプ)が挙げられます。ムラとは、画面の一部分で色が違ったり、明るかったり、暗かったりする現象のことで、パネル製造過程での様々な要因によって発生してしまいます。大変困ったことにムラは個体差が非常に大きく、店の展示品では確認できない事がほとんどです。(店頭展示品には商品のイメージを悪くしないようムラやドット欠けのない良品が選ばれているためです。)さらにやっかいなことに、ムラはドット欠けと同じく交換・修理の対象にならないのも大きな問題です。つまり、ディスプレイを購入しムラがあっても、泣き寝入りするしかないのが現状というわけです。
NEC MultiSync 90 シリーズは、この液晶ディスプレイの「ムラ」対策に力を入れていることから、まずパネルの選別にも気を配っていることが容易に想像できます。そして、ムラ補正機能は絶大な威力を発揮します。私の持っている LCD2690WUXi を 140cd/m2 にキャリブレーションし、暗室でムラコンプのON / OFF を比較撮影しました。
これらの画像は、見て分かるように輝度ムラ・色ムラをかなり強調しています。輝度のピーク点(画面中央やや左上あたり)と最暗点(画面右下)で 約19%の輝度落ちがありました。(つまり画面の中で 25cd/m2 の差が出ているということです。) これに MURACOMP を利用すると輝度落ちがわずか 4% と劇的に改善しました。つまり輝度のレンジは わずか 5cd/m2 に抑えられたことを意味します。もちろんこの差は、もはや人間の視覚では認知することが出来ないレベルに達しています。また、同じパネルと積んだ RDT261WH も含め、LG Display H-IPSパネルは残念ながら色ムラが比較的大きいのが欠点ですが、MURACOMP を利用するとほぼ完全に色ムラを除去できました。この機能が実現する画面の均一性(ユニフォミティ)を体感してしまうと、もう他のディスプレイは使えません! 特にムラが大きく発生してしまうワイドディスプレイでは、グラフィッククリエーターにとって必須の機能といえるでしょう。このような機能が搭載された WUXGAディスプレイがわずか14万円で買えるとは、本当に良い時代になったものです。(CRTや、日本国産液晶パネルが消えてしまったことは除いて・・・)
※ MURACOMP については開発元の NECディスプレイソリューションズ のウェブサイト内にある「MultiSync Technical Guide」で紹介されています。NECの高画質化技術に興味を持った方、ムラが起こってしまうメカニズム、その補正法について知りたい方は読むことをおすすめします。
※ "MURACOMP" 機能は、海外で "COLORCOMP" と呼ばれています。"MURA" は「不均一」を意味しています。
※ このディスプレイに関して、姉妹機である MultiSync LCD2690WUXi の 製品レビュー が参考になると思います。ぜひご覧ください。
実売価格 | 画質 | 見やすさ | マルチメディア | コストパフォーマンス | 総合オススメ度 | おすすめジャンル |
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180k円 | 未評価 | 未評価 | 未評価 | 未評価 | 未評価 | グラフィックデザイン |
EIZO ColorEdge CG 史上初のVAパネル・国外産パネル採用。(サムスン S-PVA) |
※ メーカーウェブサイトより引用
搭載パネルは、6万円で販売されている DELL UltraSharp 2407WFP-HC と同じ Samsung S-PVAパネル:LTM240CS と考えられます。
EIZO ColorEdge CG241W には信じられない事に、サムスンのVAパネル : S-PVAパネル が採用されています。 これまで頑なに 高品質な国産IPSパネルを採用してきた 液晶ディスプレイ界 最高峰のブランドに VAパネルが採用されたこと、その上、同社のスタンダードモニタ FlexScan S2410W , S2411W で ギラギラパネル・目潰しパネル・ムスカパネル などと揶揄され、前代未聞の定点ドット欠け問題 を引き起こした曰く付きの Samsung S-PVAパネルであることに多くのユーザーから、遺憾、怒り、落胆の声が上がりました。一方「EIZO」ブランドに全幅の信頼を置いているユーザーたちは「あのカラーエッジが20万円以下で買える!」と幸せにも大きな期待をしているようです。
さて、この衝撃的な事実がネットを駆けめぐったあと、ナナオは面白いアクションを取りました。EIZO ColorEdge シリーズのスペック一覧表から「S-PVA」という表記を取り「VA」 に変更したのです。 既に生産が終了している ColorEdge エントリーモデル CE240W の表記も ワイドS-PVA から ワイドVA に変更されていたことから、仕様変更による表記変更である可能性は極めて低いと考えられます。となると、ネットのネガティブな反応を見て S-PVA の表記を消したと思えてしまいます。(CG221 や CG 211 などが「S-IPS」ではなく「IPS」と表記されていることから、CG241W や CE240W も「VA」とフォーマットを統一するために変更したとも考えられますが、そうならば CG221 は「IPS」ではなく「ワイドIPS」になるはずです。)
また、「従来の NTSC比 72% から AdobeRGB 96% と色域が大幅向上した。」というような誤解を招きかねない比較対象が異なる表現( NTSC比に統一すると 72% → 91% となるため、より数字の開きが多い表現にしたと思われる。)をしたりと、ユーザーをあしらうような行為に、ネット上の掲示板やブログで悲観的意見がさらに増えています。特に、S2411W 定点ドット欠け問題 で蚊帳の外にいた、L997 や CG221、CG211 などを使っているハイエンドユーザ からも「見損なった」という声が上がっており、とうとう ColorEdge ブランドにもかげりが見え始めています。(しかし、CG221、CG211 は本当に素晴らしいディスプレイであることは間違わないで欲しいと思います。)
→
▲ ナナオウェブサイト(http://www.eizo.co.jp/products/ce/comparison/CG.pdf)より引用。
実売価格 | 画質 | 見やすさ | マルチメディア | コストパフォーマンス | 総合オススメ度 | おすすめジャンル |
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119k円〜 | ★★★★☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ムラムラしてる人 |
○ : 表示ムラを解消する「デジタルユニフォミティ補正回路」を搭載。 × : 画面のギラつきが酷い、視野角が狭い、強気な価格設定 |
※ メーカーウェブサイトより引用・写真は 24インチモデル
EIZO FlexScan シリーズに、同 ColorEdge シリーズの機能を付加したコンシューマー向けハイエンドシリーズです。まず、DELL 2407WFP-HC と同じパネルに変更した(と思われる)ため、色域が NTSC カバー率92%と向上しています。また、いままで ColorEdge CGシリーズにのみ採用されてきたムラ補正機能:デジタルユニフォミティ補正回路を搭載しているのが大きな特徴です。この回路と共に、より精度の高い 12 bit/color のLUTを採用しています。ムラ補正回路のため、DELL 2407WFP-HC より輝度・コントラスト比がわずかに低くなっています。(液晶素子の制御でムラを補正するためです。) FlexScan 最上位モデルということで、レビューも厳しく行いたいと思います。
(実記確認: 2007/11/20 ヨドバシAkiba 2F)
さっそく秋葉原に展示機を見に行きました。30インチモデルの SX3031W は広い店内で見ても、その大きさに圧巻されます。モニタに貼り付けられたPOP広告には「デジタルユニフォミティ補正回路搭載!」とシルバーのメタリックインクで大きく書かれており「ギラギラ」光り輝いていました(笑)。しかし、そのうたい文句とは裏腹に、デモ機には大きなムラがあり、左端にいくほど青白く眩しくなっていました。左端が青白くなるって、サムスン S-PVAパネルのトレードマークみたいなものなんですかね・・・? きっとこれはプロトタイプで、ユニフォミティ補正回路が正常に作動していないからだと信じましょう・・・。( NECの LCD2690WUXi / LCD2490WUXi にも「赤筋問題」がありましたし。)
おそらく消費者がもっとも気にしているのが、ギラつきによる目への負担でしょう。ネットの一部では、新しいパネルが搭載されギラギラも少なくなっているはずだ! と全く根拠のない噂も流れましたが、ギラギラノイズは健在で特に暗めのグレーでは一面レインボーに輝いています・・・。
27インチの SX2761W、30インチの SX3031W-H では画面が大きいせいか、以前よりも視野角の狭さが気になりました。さすがに色が転んだり、真っ黒・真っ白になることはありませんが、ガンマカーブが狂いまくるのはやっぱりいただけません・・・。ここで視野角の狭さが一発で解る小ネタをひとつ。
▲ こんな感じのデモムービーが流れているはず(イメージCG)
おそらく店頭の展示機では、上図のような「FlexScan SX スペシャルデモンストレーションムービー」が流れていると思います。ディスプレイの「映り」を見るためのデモムービーで、画面のほとんどが「真っ黒」ってどういう神経してんだ!?とツッコミたくなる衝動をおさえつつ、注目してほしいのが上辺のタイトルバーです。ここだけ背景が暗めのグレーになっていますが、ここを注意深く見ながら視点を斜めにしてみてください。
▲ 先のデモ画面を斜めから見た場合(イメージCG)
すると、ちょっと頭を動かしただけで、かなり急激にグレーが明るくなるのが解ると思います。これがプロのカメラマンから忌み嫌われている「ガンマカーブ破綻」と呼ばれるVAパネル特有の現象です。この問題は、スペックシートの「視野角」の数字には一切表れません。スペックシートの数字を信じてはいけない良き例ですね。
※ このSXシリーズのためだけに わざわざ作られた特製デモは、この記事を公開した直後に偶然、中止されました。(今、店頭に行っても見ることは出来ません。)
▲ LPL社が公開している、S-IPSパネルとVAパネルのガンマシフト比較
※ VAパネルは斜めから見たとき中間調が異常に持ち上がり白っぽくなってしまう。
いまやパソコンを買うとタダ同然のようについてくる液晶ディスプレイを、20万円も出してわざわざ買うようなパワーユーザがこの視野角に満足できるかな?と個人的には思います。(大きさだけを求めるなら半額以下の DELL 3007WFP-HC あたりを買えば良いわけですし。しかもDELLはIPSパネルらしいですし・・・。)
ネガティブな事ばかり書いてしまいましたが、1つだけ良いニュースがあります。27インチモデルの SX2761W はドットピッチが 約0.3 mmと非常に大きいため、より画面から離れて見ることができます。そうすれば細かいギラギラノイズが見えづらくなります。(コンピュータ用ディスプレイでは不評の S-PVAパネルも、TV用途では評価が高いのはこのためでもあります。)設置環境(机、椅子、棚などとの干渉)の敷居が高くなりますが、疲れ目が気になるけどEIZOのモニタをどうしても使いたい! という人は27インチモデルを検討してみてください。
※ SX2761W のギラつきが特別少ないわけではないので注意してください。
たとえば、画質・ギラギラノイズは S2411W で全く文句ないけれど、ムラが気になる・・・という人にとって、SX2461W はまさに理想の機種でしょう。値段も S2411W 全盛期(?)とほぼ同じ値段ですので問答無用で「買い」です。しかし、ハイエンドディスプレイととしてグラフィックデザインに使う人なら、2万円相当の遮光フードが付属し、ハードウェアキャリブレーションに対応した CG241W を買った方がきっと幸せになれるでしょう。さらに、ピクセルピッチの大きいディスプレイが欲しい人は、16万円も出して SX2761W を買わなくても、DELL 2707WFP を10万円で買えば満足できると思います。(おまけに入力端子もDELLのほうが豊富です。)そしてそして、高画質な30インチディスプレイが欲しい人は、ほかにまともな機種がないので SX3031W を選ぶことになります。
FlexScan 以上、ColorEdge 未満 なSXシリーズを「中途半端」と見るか、「かゆいところに手が届く絶妙な機種」と見るかで価値は大きく違ってくると思います。何十回言ったか忘れましたが、気になる人は購入前に絶対自分の目で確かめてくださいね。
実売価格 | 画質 | 見やすさ | マルチメディア | コストパフォーマンス | 総合オススメ度 | おすすめジャンル |
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109k円 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ゲーム |
DOS/V POWER REPORT ワイド液晶特集にて「DOS/V POWER REPORT RECOMMENDED 金賞」受賞 価格.com ユーザー満足度ランキング ベスト5 価格.com 人気アイテムランキング 1位 ○ : 進化した LG. H-IPSパネルによりギラギラノイズを大幅改善。1080i色差信号を映せる隠し機能で一躍有名になった。 × : 階調再現性やガンマ応答カーブにやや難あり。左右の色ムラが酷い個体がある。 |
※ メーカーウェブサイトより引用
WUXGA難民を救った「救世主」的存在。インターレース入力や色差入力(メーカーが公表していない隠し機能)に対応し、デジタルチューナーや、ハイデフゲーム機、また、トランスコーダを経由しビデオデッキ、旧世代ビデオゲーム機など、なんでも接続できる最強マルチメディアディスプレイ。おそらく同メーカーのマルチメディアディスプレイシリーズ「VISEO」で培った技術が使われていると思われます。さらに仕様では対応していないはずの 15kHz映像信号への対応や、シンクオングリーン同期信号への一部対応、分岐ケーブルを使っての4系統入力化 など、前代未聞の「変態機種」と言えます。(もちろん良い意味で。)
画質面では「今度新しく出るLGのIPSパネルは非常に見やすく目にも優しいらしい」と注目を受けていた LG.Philips 社の新型IPSパネル を業界で真っ先に採用し、韓国製パネルの多くに見られるいわゆる「ギラギラ」「ツブツブ」問題を大きく改善。さらにバックライトに使われている冷陰極管 ( CCFL ) の改良で NTSC比92%の広色域を実現。AdobeRGB カラースペースをほぼカバー。25.5インチと大きめのパネルを採用したため、文字が読みやすく画面に近づかなくても良いというメリットもあるようです。IPSパネルを採用したことで TNやVAパネルとは桁違いの広い視野角を持っています。広い色域による鮮やかな色彩はもちろん、みずみずしく透明感・奥行き感のある肌色の表現力は、他社のVA系液晶とは一線を画すものがあります。しかし、同時にIPSの宿命である液晶応答速度の遅さ、バックライト漏れによる黒浮きがあることは否めません。また階調再現性がやや乏しくグラデーションを表示させるとかなり不安定です。
また、個体差が大きく、色ムラ・輝度ムラが大きい個体や、ドット欠けした個体が比較的多い印象を受けます。 しかし良品をつかめばワイド液晶のなかでトップクラスの均一性を示します。 DOS/V POWER REPORT 2007年5月号 のワイド液晶比較レビューでは、RDT261WH の均一性が高く評価されています。 四隅の輝度落ちは見られますが、全体的にムラが広がっているより遙かにましです。
色は白と黒の2色用意されていますが、黒はシルバーとブラックのツートンカラーになっています。このテレビを意識したようなカラーリングは、好き嫌いが大きく別れそうです。スタンドはダブルヒンジを採用し様々なポーズを取ることが出来ます。発売前から消費者の間ですさまじい反響を呼び、半年以上品薄状態が続くという前代未聞の現象が起こりました。多くのユーザーから絶大な支持を受けていますが、コンピュータ雑誌のレビューでも高い評価を受けています。
“デフォルト設定では明るく眩しすぎるが、プロファイルも利用してきちんと設定すれば非常に鮮やかな色調を保ちつつ穏やかな輝度に設定可能。やや彩度が強い傾向ではあるが、趣味で使用しているビビット傾向が強い一眼デジカメのキヤノンEOSkissDNとのマッチングは良好。風景画での自然な色調からポートレートでの豊かな肌色まで、存分に満足いく色味と画質を提供してくれる。チラツキやギラギラ感もほとんどなく、長時間の使用でも眼球への負担は少ない。個体差もあるだろうが、一番心配していた輝度ムラや色ムラはほとんど見られず、画面フチ近辺での作業にも不安はない。(中略)残念ながら動画での応答速度は良いとは言えない。CRTとの比較は言うに及ばず、ビクターやシャープなど家電の液晶テレビの残像低減機にも届かない。内蔵された『CRオプティマイザー』を使用してもほとんど改善は実感出来ず、こればかりはPC用途向け液晶として致し方ないところか。 ”
kakaku.com RDT261WH ユーザーレビューより ドラ無カン 氏
“ナナオSW2411を使っていましたが、あまりシャープにならず、シャープネスを調整すると不自然な感じだったので、乗り換えました。個人的な感想として、コントラスト・シャープネスはこちらの方が優秀です。シャープネスの調整をしてもこちらは不自然になりませんし、自然な感じでした。メニューの使い方もこちらの方が使いやすいです。ナナオはなぜか目が疲れる。こちらが見やすいです。デザイン的にはナナオの方が格好いいのです。こちらは四角のモニタって感じです。 ”
kakaku.com RDT261WH ユーザーレビューより 価格一郎 氏
※ 三菱ディスプレイ「RDT261WH」については 特集ページ を用意しています。ぜひ併せてご覧ください
実売価格 | 画質 | 見やすさ | マルチメディア | コストパフォーマンス | 総合オススメ度 | おすすめジャンル |
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100k円 | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ | マルチメディア |
業界初2系統のHDMI端子を搭載したマルチメディアディスプレイの元祖:MDT241WG の後継モデル ○ : 目に優しいA-MVAパネル、効果抜群の動画ブレ低減機能、便利なリモコン × : 下品に光る歪んだ光沢ベゼル、最低輝度が眩しい、画質が非常に悪い |
※ メーカーウェブサイトより引用
(以下、ヨドバシAkiba で実機確認 2007/12/6)
まず、MDT241WG 最大の弱点と言われた一部モードでのトーンジャンプ問題についてです。MDT242WG ではDVモードが追加され「スタンダード1」・「スタンダード2」、「ゲーム1」・「ゲーム2」とスタンダードとゲームモードが増殖しています。スタンダード2モードでは酷いトーンジャンプが発生します。となりに MDT241WG があったので同条件に設定して見比べたところ、MDT241WGのスタンダードモードより、MDT242WGスタンダード2モードのほうが遙かに酷い画質でした。さらに暗部が潰れ、ハイライトは白く飛んでいます。DELL や BenQ ですら真っ青になるほど醜い絵です。
一方、「スタンダード1」モードにすると 段々畑は消え、シャドウやハイライトの階調再現性も著しく改善します。しかしこのモードでは、コントラストオプティマイザや、独立色調整、彩度調整 などが一切利用できなくなります。つまり、改良と言うよりは「トーンジャンプの原因になる処理(回路)をバイパスしたモードをつけた」という方が正しいでしょう。同社のハイエンドモデル:RDT261WH でもモードによって酷いトーンジャンプが出るので、三菱の技術力はこんなもんって事ですね。(名機と言われた MITSUBISHI RDT211H は中身NECですし・・・。)
※ MDT242WG は次のDV MODEに設定されている場合のみ10ビットガンマ補正機能が有効になります:スタンダート1モード、テキストモード、sRGBモード、フォトモード、ゲーム1モード
まあとにかく、VISEOのトーンジャンプここに解決したり! ってことで、喜ぶべき改善である事には変わりないです。
とはいえ、MDT242WG を DTP や CAD、イラストレーション、フォトレタッチ などのグラフィックデザイン用で使うディスプレイとして見ると、はっきりいって酷い画質です。10万円クラスでこれより画質の良いディスプレイはいくらでもあります。トーンジャンプが解消したといっても、それはゲームや動画鑑賞時に気にならなくなった程度のもので、階調再現性にはお世辞でも良いとは言えません。I-O DATA LCD-MF241X も MDT242WG より遙かに高画質ですし、ナナオ HD2441W においては足元にも及びません。しかし MDT242WG には MP ENGINE という他社にはない超強力な機能がありますし、動画・ゲーム専用機としては最強機種に間違いないでしょう。
MDT242WGでは、MDT241WG ユーザーから最も要望が多かったリモコンも搭載しています。このリモコンは I-O DATA LCD-MF241X シリーズの簡易的なリモコンではなく、ディスプレイの全操作・映像ソースの一発切り替が可能な非常に使いやすい多機能なリモコンになっています。ただ、レスポンスが少し遅いのが気になりました。
よくわからない名前のついた回路を搭載し、音質が向上したとうたっているスピーカーですが、やはり「おもちゃスピーカ」で1000円のスピーカーよりは良い程度のものですので、あまり期待しない方がよいようです。
ディスプレイの本機能とは関係ありませんが、下品に光る安っぽいプラスチック光沢フレームの一部が歪んでいるのが気になりました。真っ正面から見ると、ベゼル上辺がうねうね波打っているのがよくわかります。さらに上から見ると横方向(幅方向)ではなく奥行き方向にも大きく歪んでおり、結果的にフレームを3次元的にねじったようになっています。100均のプラスチックケースも真っ青な酷い成形精度です。MDT241WG のときに散々非難囂々だったのにも関わらず変えなかったわけですから、よほどこのデザインに自信を持っているんでしょうねぇ・・・。 個人的に、光沢ベゼルは気になりませんけど。
実売価格 | 画質 | 見やすさ | マルチメディア | コストパフォーマンス | 総合オススメ度 | おすすめジャンル |
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97k円 | ★★★★☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | マルチメディア |
○ : リモコン付き。ガンマ応答特性は同価格帯の製品中でもっとも良い。 × : 最大6フレーム分にもなる大幅な遅延。S-PVAパネルによるギラギラノイズ。sRGBモードが無い。 |
この製品は開発から発売されるまでのプロセスがとてもユニークで、消費者の注目を集めたディスプレイでした。同社のLCD-TV241XBR-2 の生産が終了し、確実に次モデルがでると言われていたアイオーデータでしたが、“開発予告”という前代未聞のプレスリリースを行いました。 これは「これからこういう仕様でモニタを作りまーす」といった本来ならば社内の開発部門内で交換される情報を公にしてしまったようなものです。
この異例のアプローチは、MITSUBISHI VISEO MDT241WG や、 EIZO HD2451W などの次世代マルチメディアWXUGAディスプレイが相次いで発表・発売され、 そちらに流れるユーザーを引き留めるためだと思われます。しかしこの取り組みは意外な副産物を生みました。初回発表後に、 ネット上の様々なコミュニティ・フォーラムに投稿されたユーザーの声がどんどん仕様に反映されていったのです。 初回発表から2回以上の仕様更新がなされ、10以上の魅力的な機能が追加されました。LCD-MF241X はユーザの要求を取り入れた、いわゆる“全部入り”の史上最強マルチメディアディスプレイになると期待されました。しかしそんな消費者の期待は見事に裏切られる事になります。
LCD-MF241X 発表とほぼ同時期に、台湾 AU Otronics が NTSC比 92%をカバーした広色域 24インチWUXGAパネルを発表しました。アイオーデータの前作:LCD-TV241Xシリーズは AUOのP-MVAパネルを採用していたため、多くの消費者がこの新パネルを採用するだろうと考えていました。このパネルは比較的に目に優しい A-MVAパネルで、目にも優しいディスプレイになると期待されていました。しかし実際に発売されたLCD-MF241X は、なんとあの悪名高い Samsung S-PVAパネルを採用していたのです。広色域化したためか、ギラつきは EIZO S2411Wよりも酷く、ノイジーで目に刺さるような発光でした。この時点でだいぶ多くの消費者が逃げていきました。
LCD-MF241X には、アクションゲームやリズムゲーム(いわゆる“音ゲー”)を快適に利用するために、遅延を限界までに抑えた「ゲームモード」という機能が用意されています。ライバル機の MITSUBISH VISEO MDT241WG に搭載された同様の「スルーモード」機能では遅延が約1フレーム分という超ローレイテンシーを実現しているため、本機でもそのような効果が得られると期待されていましたが、実際にはゲームモードによる遅延低減効果はほとんど認められず、映像ソースによってはなんと最大6フレーム分の遅延が発生することが購入者のレビューによって判明しました。この全く意味のないゲームモードは、ユーザーの間で「ゲームムード」(名前の響きだけで、実際に効果はないという意)と揶揄されました。これでアクションゲーマー(FPS等も含む)は去っていきました。
WUXGA難民が抱える最も大きな問題として、ドットバイドット・アスペクト比維持表示が挙げられます。LCD-MF241X は「スマートズーム」機能によってこの問題の解決を試みていますが、実際スマートズーム機能はバグだらけで、アスペクト比がおかしくなったり、表示が激しく乱れたり、解像度やアスペクト比情報信号を誤認識・無視したりと、めちゃくちゃな挙動を起こします。特に480i/480p(720×480ピクセル)のDVDプレーヤや、HDD/DVDレコーダ、PS2、Wii などの映像機器では、LCD-MF241Xが強制的に4:3ソースだと解釈するため様々な問題が起こります。これで残った「ゲームが繋がってちゃんと映りゃいいや」と思っていたユーザも去っていきました。
結局、期待を寄せて予約購入したいわゆる“人柱レビューア”によって LCD-MF241X のマルチメディアディスプレイとしての魅力がほとんどゼロであることが判りました。本機は 10bitガンマテーブルやDTPモードなどを搭載し、カラーマネージメントを含めたグラフィックデザイン用途にも最適であると謳われていますが、「画質がそこそこよく、S-PVAパネルでもかまわない」のであれば EIZO SX2461W を買えば良いことです。さらに唯一の強みとされてきたリモコンも、高性能で大変使いやすいリモコンが MITSUBISHI MDT242WG に搭載されてしまったため、もはや LCD-MF241Xを買う理由はなにもありません。
最初に述べたように、そのユニークな開発プロセスから消費者の期待を集めましたが、購入者によって出来の悪さが次々と暴露され、期待は見事に打ち砕かれました。さらに最強のマルチメディアディスプレイである VISEO MDT242WG の発売により LCD-MF241Xは期待の新鋭から一気に「要らない子」になってしまいました。その結果、すでに生産が終わり流通在庫のみになった旧機種の LCD-TV241XBR-2 を買い求める消費者や、MDT242WGに買い直す消費者まで現れています。
LCD-MF241X の特徴の一つに、USB経由で自宅のPCからディスプレイのファームウェアをアップデートできる機能があります。実際、この機能は活用されており、過去2回のアップデートがリリースされ不都合が修正されています。
しかし、ファームウェアのアップデートであちこちの不都合が直ってしまうということは、多くの処理をソフトウェアベースで行っていることを意味します。
これ以降のトピックは「4ページ目」をご覧下さい。
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