2009年2月に発売されたADFドキュメントスキャナ:PFU ScanSnap S1500 の製品レビューです。
同社のScanSnap fi-5110EOX2からの買い換えレビューも行っています。
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レビューを始める前に、まず私たちが日頃使う“イメージスキャナ”について説明しておきます。イメージスキャナは主に“フラットベッドスキャナ”と“ADFスキャナ”の2つがあります。フラットベッドスキャナはガラス板の上にスキャンしたい物を置いて、その下をイメージセンサが走査して読み込むタイプのスキャナです。コンビニにあるコピー機やCanonやEPSONなどが販売している多くの民生用スキャナがフラットベッドタイプです。基本的に平たければ何でも置いてスキャンできるので、分厚い物や凹凸のあるもの、固いもの、形が不定形なものもスキャンできるという特徴があります。一方ADF ( Auto Document Feeder )タイプはインクジェットプリンタのように用紙を吸い込んで、スキャン対象物を走査して読み込むタイプのスキャナです。何十枚もの書類を自動で1枚ずつ読んでくれるので手軽・スピーディーという特徴があります。これら2種類のスキャナは、お互いにメリット・デメリットを持っています。近年の複合機ではフラットベッドもADFも兼ね備えたハイブリッドタイプが人気です。構造上、フラットベッドスキャナの方が画質に優れるため、写真などのスキャンはフラットベッド、書類のスキャンはADFと使い分けることができます。
▲ ADF・フラットベッドの両方を持つスキャナ:EPSON DT-G1000
PFU(富士通)が販売している ScanSnap(スキャンスナップ)シリーズは、ADFのみを搭載したドキュメントスキャナのひとつです。一般的なイメージスキャナの解像度が2400〜4800dpiであるのに対し、ScanSnapの解像度は最大600dpiです。一見、「なにそれ、少なすぎ!」と思われるかもしれませんが、商用印刷(新聞・雑誌)の解像度は概ね300dpiですから、書類をスキャンするには十二分な解像度です。また画質もあまり良くありませんが、そのかわり超高速スキャンとデュアルCCDによる同時両面読み込みが可能になっています。つまりScanSnapはハードウェアレベルで書類に特化して設計されているわけです。
ScanSnapの外見はシンプルで、フタを開けると電源ON、「Scan」ボタンを押してスキャン開始。この2つ操作しかありません。またスキャン用アプリケーション:ScanSnap Manager も同様にシンプルで、画質調整などの細かいパラメータは一切ありません。スキャンされたデータはPDFファイルかJPEGファイルで保存されます。いつも使う設定にしておけば、ソフトを起動して、ScanSnapのフタをあけ、用紙をセットし、Scanボタンを押すだけで書類が電子化されます。ScanSnapはまさに書類を“スナップ”するお手軽スキャナなのです。
これまでイメージスキャナといえば、写真をウェブサイトに公開したり、E-MAILで友人に送るためにスキャンしたり、家のプリンタでコピーするためにスキャンするなど、「PCで画像を扱いたいときに、その都度必要な分だけスキャンする」という使い方が主でした。しかしScanSnap登場後は、その手軽さから何でもかんでもスキャンして、電子ファイリングしていつでも活用できるようにしたり、捨てるに捨てられず貯まっていた雑誌やマンガをスキャン・原稿を処分して収納スペースの削減をしたりとスキャナの使い方自体が大きく変わりました。またスキャンしたデータをiPhoneやPDA、電子ブックリーダに取り込んで電車の中などで読んで楽しむといった使い方をしている人もいます。ScanSnapはペーパーレス時代のデジタルツールなのです。
この記事では、勝手ながら歴代の PFU ScanSnap を以下のように分類して表現します。(10番目に発売されたモデルは・・・とか言われてもさっぱり判らないので。)
私は第2世代 ScanSnap の fi-5110EOX2 を2005年に購入し4年半の間に5万枚の書類をスキャンしました。第2世代ScanSnap(fi-5110EOXシリーズ)はScanSnapを世に知らしめ、今のドキュメントスキャナブームを作り上げた最も売れたシリーズであり、持っている方もたくさんいらっしゃるでしょう。本レビューは、S1500の製品レビューであると共に、fi-5110EOX2からのリプレースレビューでもあります。次々出る新製品と、ガタが出始めた愛機をながめながら「そろそろ買い換えようかな・・・」と思っている方のヒントとなれば幸いです。
本レビューは Mac OS X 環境で ScanSnap を使った感想を書いています。一部、Windows版と異なっている点がありますのでご了承下さい。
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まずScanSnapのパッケージですが、化粧箱は厚めの段ボールに取っ手がついた丈夫な作りになっています。電車でもそのまま持って帰れます。見た目もなかなかおしゃれなので、普段使わないOAアクセサリやケーブルなどの小道具入れとして使っても良いかもしれません。
ScanSnap S1500 の外観は第2世代ScanSnapと比べて非常にシンプル・直線的なデザインになっています。製品表面は Apple MacBook Proを彷彿とさせる、落ち着いたマットシルバーになっています。第2世代ScanSnapと色を比べると、旧機種は“光沢ねずみ色”、新機種は“つや消しシルバー”といった感じです。いかにも「ザ・パソコン」な昔ながらのライトグレー色の部分もなくなり、かなりモダンになりました。ScanSnapは今回のS1500から本格的にMacに対応しましたが、デザインもマックユーザが満足できるものにしたということでしょうか・・・?
まず目にとまるのが、平らなトップパネルにダークグレーでシルクプリントされた "Fujitsu" と "ScanSnap S1500" の文字。これまでの歴代ScanSnapと比べてロゴに装飾・色・凹凸がついていませんし、"Color Image Scanner"、"DUPLEX COLOR"、"AdobePDF" といった表記もなくなっています。文字の大きさも全体的にだいぶ小さくなり、主張しすぎない控えめなプリントになっています。ScanSnapと聞けば、これがどんなツールなのか判る。そんなScanSnapブランドの浸透を象徴するようなデザインだと感じます。
さて、このトップパネルの後ろにはもう1枚小さなパネルがあって、外側に膨らみながら開くトップパネルをサポートするように動きます。第2世代ScanSnapは単純なヒンジでしたが、このような機構にすることで書類により角度をつけることができ、搬送路を直線に近づけたことで、厚紙のスキャンや安定した給紙が可能となりました。またパネルを閉じる際、このバックパネルがトップパネルの勢いを殺すことで、バタン!とではなくストンとゆっくり閉まるようになっています。なかなかニクい仕掛けです。
それでは次に ScanSnap S1500 のフタを開けて中を見てみましょう。トップパネルを開くとマットブラックの本体が現れます。中のデザインも"直線"を強く取り入れています。ScasnSnap S1500 は青く光る"Scanボタン"が唯一の操作インターフェースとなっています。この状態でスキャンも可能ですが、実はこの操作部がパネルになっていて、これが手前に開きスタッカー(排紙受け)になります。そして出てきた本当の(?)本体も全く同じデザインになっています。なんだか忍者屋敷のよう。なお、開いたトップパネルは原稿台になります。
要するに、数枚の書類をスキャンするときはトップパネルだけを開いてスキャン。大量の書類(雑誌とか)をスキャンするときはさらにパネルを開きガンガンスキャン、といった使い分けができるということです。
原稿台とスタッカーのガイドをのばすと下の写真のようになります。スタッカーは逆にScanSnap S1500のほうが角度が付いています。これは角度が付いていたほうが原稿が散乱せずにまとまるためと考えられます。また横からみると判るのですが、第2世代ScanSnapは用紙が反比例のグラフのような急な曲線を描きながらスキャンされるのに対し、ScanSnap S1500は半円を描くようになめらかな曲線を描きます。さきほども触れましたが、このような搬送路の改良がミスフィードの減少に大きく貢献しています。
以上のように、大きな変更が加えられた外観でしたが、内部の基本構造は前モデルを継承しています。しかし、よーく見てみるとパッドの形状が若干変更されています。そのため、これまでのScanSnapと互換性がありません。またScanSnap S1500の目玉機能である超音波マルチフィードセンサがひっそりと埋め込まれています。形状からして、同社のプロ向けイメージスキャナと同じ物が採用されているようです。
ScanSnap S1500 では主に以下のような新機能が加わりました。次のページから、以下の新機能を具体的に掘り下げていきたいと思います。
これ以降のトピックは「2ページ目」をご覧下さい。
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