WUXGA対応高解像度ワイド液晶ディスプレイ選び

■ LG H-IPS 広色域パネルの色空間検証用資料 ■

myLife with MacBook Pro の「WUXGA対応ディスプレイ選び」のなかで最も注目されているディスプレイ
MITSUBISHI RDT261WH に関する情報があまりに多く、錯綜しているためこの専用ページに掲載していきます

■ 概要

 このページでは、MITSUBISHI RDT261WH や、NEC MultiSync LCD2690WUXi に搭載されている、LGの新パネル「H-IPS LM260WU1」の色域について、メーカー提供のデータを画像化し見比べてみようというものです。画像は、Mac OS X に標準で付いている「 ColorSync ユーティリティ」を使用しました。比較対象として、sRGB空間を最も正確に再現でき、メーカーの測定値にも信憑性があると思われる EIZO FlexScan S2411W のデータも用意しました。

■ Y-x-y でのプロット

[ RGB 全体 ]

[ R-G ]

[ G-B ]

[ B−R ]

■ L-a-b 空間でのプロット

[ RGB 全体(トップ) ]

[ RGB 全体(アンダー) ]

[ R-G ]

[ G-B ]

[ B−R ]

■ SAMSUNG S-PVA vs LG S-IPS ガチンコ勝負

 それでは、EIZO や DELL が採用するサムスンS-PVAパネルと、MITSUBISHI や NEC が採用する LG DisplayH-IPSパネル(S-IPSパネル)を重ねて比べてみましょう。以下の図は、EIZO S2411W をカラーで、NEC LCD2690WUXi を白色でプロットしたものです。つまりカラフルな部分では S2411W、白の部分は LCD2690WUXi がより多くの情報を表示できることを示しています。

[ L-u-v 空間へのプロット ]

LUV空間での比較 LUV空間での比較 LUV空間での比較 LUV空間での比較 LUV空間での比較
AdobeRGB と聞くと、 XY図の見た目からどうしても「緑だけ広い」というイメージを抱きがちですが、強烈で情熱的な「赤」が出せることも大きな魅力です。とくに H-IPSパネルは赤に非常に強く AdobeRGBのレッドを完全にカバーしています。一方レッド方面の青がやや弱く、深い紫はやや不得意のようですがその差はわずかです。

[ Y-u-v 空間へのプロット ]

YUV空間での比較 YUV空間での比較 YUV空間での比較 YUV空間での比較
やはりブルーがやや苦手。ブルーもグリーン側に傾いているため、一部のグリーンを出せないようです。そして特筆すべきはやはり赤で、その非常に高い色純度輝度に驚かされます。

■ ブルーは SAMSUNG LX20 のほうが不得意 !?

XL20 VS LCD2690WUXi 広い色域、AdobeRGB と聞けば思い浮かぶディスプレイに、サムスンの AdobeRGB対応カラーマネージメントモニタ「SyncMaster XL20」 があります。 XL20 は、バックライトにLEDを採用し、NTSC比114%という極めて広い色域を持ち AdobeRGBへの正式対応を大きくうたっています。

 しかし、フランスのハードウェアレビュー・比較サイト「Hardware.fr」の「Samsung XL20 : leur 1er LCD LED」という記事に非常に興味深いデータを見つけました。この記事の3ページ目に、XL20 と、NEC LCD2690WUXi の色域に関するデータが載っていますが、Hardware.fr による測定結果では XL20 のブルーが sRGBをカバーしていないようです。さらに XL20 はブルーが弱いと言われた H-IPS広色域パネルよりも劣っているという結果になっています。