さて、それでは前章で設定したセッティングとデフォルトセッティングの画質を見比べてみましょう。
前者がデフォルト、後者が僕のオリジナルセッティングです。画像はDVストリーム形式で録画したものを4.0Mbps 1pass VBRでMPEG2にエンコードしたものです。
まず鮮やかさに注目してください。ちょっと上げすぎた気もしますがデフォルトだと大人しすぎます。GV-1394TVの発色がおとなしめなことはコンピューター雑誌にもよく書かれています。次にノイズに注目してください。肌や髪の毛でよくわかります。デフォルトだとザラザラしてしまっていますが後者はセル画らしく均一に色が乗っています。
そしておもしろいのがMPEG2のノイズです。前者は輪郭にブロックノイズやモスキートノイズが出まくっていますが後者はあまりでていません。4.0Mbpsという比較的低ビットレートの範囲にデータを納めるとき、ノイズがのっているとここまで画質に影響がでることが見事にわかります。
ではもう一つ。こちらもMPEG2圧縮による違いがかなりでています。ここでみてもらいたいのは明るさです。調整後のほうが明るくていい感じです。でもふつう、明るさをあげていくと、繊細な肌の色が白く飛んでしまうのですが、この画像では肌の色はほぼそのままで暗いところは暗く、明るいところは明るいメリハリのある画像に仕上がっています。これは言うまでもなく、黒伸張補正と白ピーク補正のおかげです。特に画面右下の文字はかなり明るく見やすくなっています。
デフォルト設定はイマイチですが、これだけ微調整ができるのでじっくり絵を作り込んでいけます。この点はたいへんありがたいです。
画像:NARUTO - ナルト - TV Tokyo 関東地区放送分より引用
(C) 岸本 斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
さて、お次は忘れてはならないマックをTVとビデオデッキにするためには欠かせない予約録画を設定します。予約録画の設定はChannel Managerで行います。
iEPGに対応しているのでiEPGファイルをDockにあるこのソフトのアイコンにドラッグすれば自動的に予約設定をしてくれます。
Capty!TVとくらべかなり細かい設定ができます。
ここで録画する番組の情報を入力します。iEPGファイルをドラッグすればほぼすべての欄が自動的に埋まります。
設定内容はCapty!TVとそんなにかわりませんが、やはりかなり親切に作られています。
録画ファイル名が指定できるので、Cap001.mpg、Cap002.mpg、Cap003.mpg・・・なんてファイルが大量にできてしまって、さらにさらに、いらないファイルと間違えて大事なムービーを消してしまった!なんて苦い経験をした人も多いでしょう。ここでファイル名を番組名にしておけばそんなトラブルともおさらばです。
また、有効期限というものが設定できて、その期限をすぎたら予約情報を削除できます。毎週録画していたドラマが○月△日で終わる、なんてときに設定しておくと便利だと思います。
あと、DigitalTV Recorderを起動するだけ(録画はしない)もできるのでいつも見ている番組を見逃さないようにタイマー代わりにするのもよいと思います。
この製品にはムービーの編集用に、ファイルを統合する「MergeUtil」や、CMカットを行う「Ulead VideoTrimmer」(PixeDVのMPEG編集画面に似ている)が付属していますが、Ulead VideoTrimmerはCMカット後の書き出しにものすごい時間がかかります。それにこのキャプチャで録画されるのは天下のDVフォーマットです。天下のQuickTimeを使おうではありませんか。QuickTime Playerではこれら2ソフトでできる事がもちろんできる上に、音量の調整や画面比率をかえたりできますし、保存は1秒以下でできるので俄然便利です。
以下の説明は、QuickTime Player(Pro版)と、DVストリーム形式で録画したファイルで説明します
録画された映像はDVフォーマットですので、720×480ピクセルで記録されています。このあとiMovieで編集するなら全く問題ありませんが、ここからスクリーンショットをとって静止画を取り出したり、MPEG4やSorensonVideo、DivXなどで書き出したい人はここで、画面比率をTVやパソコンのモニタと同様の4:3という比率に変更します。
「ムービー」メニューから「ムービーのプロパティーを表示」を選びます(コマンド+J)でてきたウィンドウでかなり高度な事がいろいろいじれます。
まず「ムービー」となっているバーをクリックし「ビデオトラック」を選択します(→スクリーンショット)つぎに右の「カラー」となっているところをクリックし「サイズ」にします。ここで「調整ボタン」を押すとムービーの四隅に赤い印が出るのでこれをドラッグして、640×480に調整します。ちょっとマウスさばきが難しいですが慎重に…(→スクリーンショット)
ちなみにこれが例えば640×481みたいになっているとOpenShiivaでエンコードしようとするとソフトがクラッシュするので気をつけてください。
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Capty!TVでは録画時に音量の調整ができましたが、GV-1394TV/M2ではできません。そこでQuickTime Playerを使って音量を調整します。またまたさきほどのプロパティで今度はビデオトラックではなく「サウンドトラック」を選択し「音量」を出す。そこで音量の調整や低音・高音を調整できる(超簡易イコライザ) 僕の環境だとたいていの番組は音量を200%にしても大丈夫です。
「おれは、ギリギリまで音量をあげたい!」という人はサウンドトラックだけをAIFFで書き出して、波形編集ソフトでノーマライズをかけ保存し、それをもどしてやればOK。こんな芸当もQuickTimeならではです。
また、地上波放送の音声はあまりよくありません。そこでCD/DVDライティングソフト:Toast6に付属する「CD Spin Doctor 2」というソフトを使えは音声に含まれる「サーーーー」というノイズを除去したり、なくなってしまった高音域、低音域を強調したり、ステレオ感をアップさせる事ができる。音楽番組を録画したときはぜひやりたい補正です。
こんな作業もQT Playerでは朝飯前です。タイムバーのいらない部分をドラッグして選択し、deleteキーを押してしまえばそれでムービーのトリミングができてしまう。MPEGと違い1フレーム単位の編集ができるのでCMは完璧にカットできます。(くわしいカットの方法はQuickTime Playerの基本操作なのでここでは詳しく解説しません)
おそらくエンコードには影響ないと思うのですがDVフォーマットの再生には高画質モードというのが用意されています。同じくプロパティを出し、ビデオトラックを選択し、ここで「品質」を選びます。そこに「高画質で再生する」というのがあるのでチェックしてましょう。画質が一気に向上します。静止画をキャプチャしたい人はチェックしてください。
また同じタブでインターレースの解除ができます。そもそもTVでは常に画像が更新されていません。ものすごい速さで奇数列・偶数列・奇数列・偶数列と1列おきに表示されています。私たちはその残像により画面すべてが更新されると錯覚するわけです。しかし文字などの鮮明な画像を扱うコンピューターでは常にすべての画素が更新されています。これをインターレースと対象にプログレッシブといいます。プログレッシブ環境でインターレースの映像を見ると、横方向にクシ状のノイズが見えてしまいます。気になるのはもちろんですが、MPEG4などへのエンコード時に圧縮効率が落ちてしまいますので、いずれにしよチェックして、インターレースは解除した方がよいでしょう。
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さて、編集されたムービーはわざわざ書き出す必要はありません。コマンド+Sで保存すれば1秒で保存が完了します。これはどういうことかというと、編集内容をQuickTimeムービーのファイルに記憶するのでこんなにあっという間に終わるわけです。そのかわり元データに変更を加えないため、いくらCMをカットしても容量は減らないので早めにエンコードなどしてソースを破棄しましょう。
画像:ポケットモンスターアドバンスジェネレーション
2004年5月6日 TV Tokyo 関東地区放送分一部より引用
(C)Nintendo,CREATURES,GAMEFREAK,TV TOKYO,SHO-PRO,JR KIKAKU
このコースは各プロセスを1つ1つ違うソフトにまかせる、しかもソフト合計は7万円以上というハイパーゴージャスコースです。CompressorはDVD Studio Proに付属しています。まずCompressorか、DVD Studio Proに付属の「Apple MPEG2 Encoderコンポーネント」を使ってQuickTime PlayerからMPEG2ビデオ(.m2v)とオーディオ(.aiff)を作成します。そのあとDVD Studio Proを使ってオーサリングし、そのデータをToastでDVDに書き込みます。
・アカデミック版でいくとかなりやすくなる
・市販品並のDVDを作成できる
・Compressorによる高速、高品質エンコード
・出費 学生:4万円 一般人:7万円
iLife '04に収録されているiMovieとiDVDを使用します。iLife '04からこの組み合わせでチャプターが使えるようになりました。またアップルの超ハイセンスなテンプレートが山ほどついているのでDVD Studio Proに負けないカッコイイDVDが作れます。iDVDはCompressorと同じエンジンを使用しており、長時間モードでは2pass VBRでエンコードするなど画質もピカイチです。GV-1394TV/M2との相性も抜群によく一番おすすめしたい方法ですが、時間がかなりかかってしまうのがデメリットです。
・Compressorと同じ高品質エンコードエンジン
・ハイセンスな多数のテンプレート
・時間はかなりかかるが、全自動で作ってくれるので失敗が少ない
・出費 学生:5000円 一般人:9000円
おそらくCapty!TVをお持ちの方の多くが使っていたであろうCapty!DVDを使います。Compressorはプロアプリの付属アプリケーションですが、FinalCutExpressなどリーズナブルなソフトにも付属しているので持っている人も多いでしょう。Compressorでm2vとaiffにエンコードした素材を、MMplexというフリーソフトで統合し.vobファイルを作成します。そのファイルの拡張子を.mpgに変更すればCapty!DVDの素材として使えるようになります。あとはCapty!TV+Capty!DVDと同じ要領です。
Capty!DVDを持っていない人にはおすすめできません。あくまでCapty!TVからのスイッチ組のためのコースです。
またCapty!DVDにDVムービーを放り込んでもソフトウェアエンコードでDVD-Videoを作成できますが、上書き保存された.movファイルを使うと音声がおかしくなるので使えません。
・番組を録画するたびに素材をエンコードできるのでDVD作成時にコンピューターを長時間占拠されない
・Compressorによる高速、高品質エンコード
・テンプレートのセンスがピクセラ(謎)