Capty!TVからI.O.DATA GV-1394TV/M2へのスイッチレポート

第6章 総括

総合評価

GV-1394TV/M2の画質については申し分ないと思う。我が家は集合住宅なので電波状態は決していいとはいえないので映像がかなりノイジーで3D NRでも除去しきれなかった。もう少し強烈なNR設定ができるとうれしいかも。というのはこのキャプチャーはノイズに弱い気がする。BSなどのノイズが少ない鮮明なソースを入力すると驚異的なキレイさで取り込んでくれる。でもその反面、ノイズもきちんとキャプチャーしてしまうのだ。ただ、ほとんどのノイズはNRによりかなり目立たなくすることはできるので、もともとボケている絵より数倍ましだ。

付属ソフトはかなり不都合があるものの、着実なアップデートによりそれを改善している。G4 1.25GHzでギリギリ動いているのをみると内部処理が効率的とはいいがたいが、改善する意思さえないピクセラより遥かにましだ。またこの製品の場合はiMovieや次に紹介するVidiなどでも使えるため心強い。

これだけハードウェアが作り込んでいて25,000円というのもかなりウレシイ価格だ。これと同等のキャプチャーをカノープスに求めたら少なくとも5万円はすると思う。

総合評価としてはかなりよい買い物をしたと思っています。

ハードディスクレコーダーと比べて

SONY スゴ録

どんどん普及してきたHDD/DVDレコーダー。すでに3万円台から買えるようになった。我が家でもGV-1394TV/M2を購入した半年後に、SONYのレコーダー:スゴ録を購入した。

ここででてくる疑問が、「GV-1394TV/M2などを使ってコンピューターで録画するのと、家電製品であるHDD/DVDレコーダーのどちらが良いか」ということでしょう。また、GV-1394TV/M2の購入を考えている人の中に「HDD/DVDレコーダーのほうがいいんじゃないか?」と思っている人も多いと思います。でも、実際に使ってみて個人的に思ったことは贅沢ながら「両方あった方がいい」という結論です。

まず「TVをみる・それを録画する。または裏番組を録画する」という見たい番組をとりあえず一時的かつあまりこだわらずに録画・保存するという面ではHDD/DVDレコーダーの圧勝です。その代表的な機能に話題の「追っかけ再生」というものがあります。これを体験するまでは、そんな数十分くらい我慢しろよ、とバカにしていたが使ってみるととても便利でした。スポーツ中継など最初を見逃したとき、生中継が終わるまでまって、VTRをみるってのも悲しいし、流れがあるわけだから途中からみるのも気が引ける。そんなとき、追っかけ再生+ちょくちょく早送りすればそのうちオンエアー軸に追いつく。あとは普通に生放送をみればいい。ドラマやアニメなども1週間も待ち望んでいるのだ、早くみたい。そんなときも追っかけ再生はすごく便利でした。

しかし、思い出のビデオテープをデジタル化したり、細かい編集が必要なソースの場合は今度はPCが圧倒的に有利。もちろんHDDレコーダー上で編集は行えるのだが、たとえばCMカットするためにはリモコンでCM開始直前まで早送りし、タイミングをみはからって一時停止して、スロー再生やコマ送りなどで位置を決め、エンド地点も同じように設定しやっと1つのCMがカットできる。これがえらいめんどくさい。PCであればQuickTimePlayerを使って数十秒で完了する。さらにDVなので1フレーム単位でカットが可能だ。また凝りたいDVD-VideoはiDVDなどを使えばかっこいいDVDが作成できる。また、データを入れたり、写真や音楽を入れてスライドショーにもできる。この辺が作り込めるのはPCならでは。

また、画質的にはあとからじっくり時間をかけてエンコードするPCのほうが圧倒的によい。HDDレコーダーだとSPモード(DVD-Rに2時間入る標準モード)が見るに堪える最低ライン。しかしSPモードでも激しい動きではノイズが出まくるし、残像が激しい。一方、PCではSPモード相当のビットレートがあれば十二分の画質に仕上がる。DVDレコーダーの説明書には「そういうときはSHQ(最高画質モード)にして、再エンコードでSPにダウンレートするのがよい」と書いてある。このとき2pass VBRでエンコードを行ってくれるようだ。2pass VBRでエンコードすればPC並の画質になるはずだが、いくらハイレートでもソースがMPEG2だけに、MPEG2で2回エンコードするのは精神衛生上よくない。画質面を考えるとPCに軍配があがりそうです。

最近発売されたTOSHIBAのDVDレコーダーではマックとEthernetで接続して動画を転送できる機能がある。そういうものでPCと家電をリンクするのもおもしろいかもしれない。

DVDレコーダーで記録した素材について

DVDレコーダーで録画したMPEG2素材をPC上で使えないか?と考えた人もいると思います。結論から先に言うと「できるけど極めてめんどくさい」という感じです。

まずDVDレコーダーから出力した素材は、DVD-Video形式になっていて1000MBごとに分割されています。0SEx(フリーウェア)というDVDリッピングソフトを使えば、分割されたファイルを一つの.vobファイルに統合してくれるのですが、なぜか我が家のDVDレコーダーで作成したDVDをリッピングしようとするとクラッシュしてしまいできませんでした。QuickTime PlayerではMPEG(MPEG4をのぞく)の編集機能がオソマツでコピー、カット、ペーストもできません。ですからほかのファイルフォーマットにエンコードしてから統合するしかありません。しかし、この分割したファイルはすこし特殊なデータを持っているようで、QuickTimePlayer+Apple MPEG2 Playback Componentでは再生できませんでした。なので当然QT Playerを使ってのエンコードもできません。

MPEG2からQuickTime形式にエンコードできるソフトに、DiVAOpenShiivampeg2decX(いずれもフリーウェア ※1,2,3)などがありますが、画面の比率がおかしくなってしまうためDiVAとOpenShiivaでは使えませんでした。残るmpeg2decXでは3ivxをサポートしていません。ですからあきらめるか、一回劣化が少ないコーデック(PixletDVなど)にエンコードして、QT Playerでまたエンコードするしかありません。さらにmpeg2decXは処理速度がかなり遅いため、この作業はとんでもなく骨の折れる作業です。

音声はDolbyDigital形式.ac3)で記録されているのでこれもQT Playerでは読み込めません。そのためa52decX(フリーウェア)を使用します。AIFFに変換されるのでそれをQT Playerにぶち込んでMPEG4オーディオに変換します。

※1:DiVAは3ivxの開発元が作っている純正エンコーダーで、当然ながら3ivxとの相性は抜群です。特に2pass VBRエンコードを自動に行う機能が目玉。
※2:OpenShiivaはマニアックなエンコーダー:MediaPipeの作者が作ったソフトです。
※3:mpeg2decXa52decXは同じ作者が作っています。昔はこの2つのソフトでDVDをエンコードするのがトレンドでした。

関連ツール

■ Vidi

Vidi

VidiはフリーのDVレコーディングソフトです。メタルウィンドウ1つというシンプルな画面が特徴です。フローウィンドウにしたりとMacOS X専用設計らしいクール設計がイカしてます。このソフトの最大の特徴はCPUロードがとても少ないところ。フルD1で高画質モード・インターレース除去でみてもCPUロードは40〜60%に収まっており、GV-1394TV/M2付属ソフトの半分弱のパワーで動きます。

このソフトには留守録機能もあるのですが、チャンネルが切り替えられないため外出中に2番組以上の予約がある場合は使えません。

しかし、ほかの作業をしながらマックでテレビが見たい人は諜報すると思います。入れといて損はないと思います。

アップデート履歴

付属ソフトウェア・MacOS X アップデート履歴

不都合内容と対処履歴(中・重度の不都合改善)

アップデーターによる改良箇所(軽度の不都合改善・最適化・使用感向上)

既知の問題・要望


v.2.02からv.2.03リリースまで半年のブランクがありました。その間、MacOS X 10.3.4環境で付属ソフトウェアでの録画・視聴ができなくなる現象が発生しましたが、これはOS側の問題だったようで MacOS X 10.3.5アップデートにより改善されました。 しかし、iMovieやVidi、iChatAVなどでは使用できていたのでDigitalTV Recorderの設計に問題があるのではないか?という声も出ています。

v.2.03ではリリースがずいぶんと遅れてしまいました。MacOS X 10.3.4環境でのトラブルも理由の一つでしょう。このトラブルがおこったときにはすでにv.2.03は完成していたようで、アイオーデータのスタッフに問い合わせたところ、v.2.03を収録したCDを郵送してくれました。でも時間が空いたせいか、さまざまな不都合や改善が行われおり、アイオーデータがこの製品に力を入れ続けていることがわかり、とても好感が持てました。

v.2.03で改善された問題のなかで一番大きかったのが、予約録画終了時のクラッシュ問題です。発生頻度は大変稀でしたが、最後の最後で録画したファイルが一瞬でダメになるのは怖かったのでこれで一安心です。これは予約終了時にDVファイルのファイナライズ(?)処理とソフトウェア終了が一瞬で行われてたため、そこで無理が生じてクラッシュしていたと思います。v.2.03では、録画を終了してからソフトが終了するまで2秒ほどのブランクが設定されました。これで正常に終了作業が行われるようになったみたいです。


アップデート時の注意

開発元によるとなるべく旧バージョンをアンインストールしてから、新しいバージョンをインストールしてほしいとのことです。また、付属ソフトの設定ファイル(/Users/〜〜〜/Library/Preferences/jp.co.iodata.gv1394.tv.〜〜〜.plist 4つあります)は互換性があるようですが、アップデート後は一回削除して設定し直した方が無難です。僕の場合、アップデートした際予約録画時間になってもDigitalTV Recorderが起動しない現象がおきましたが、設定ファイルを捨てて、設定し直したら改善しました。

関連リンク

あとがき

長くて下手な文章を最後までお読みくださってありがとうございました。この記事がみなさんのお役に立てれば幸いに思います。なにか質問や「こんな技もあるよ」「これも載せた方がいいじゃない?」ということがありましたら気軽にご連絡ださい。最後に、この記事はピクセラのCapty!TVの批判文ではありません。不都合は個人的環境に由来する可能性もあるのでそこをご留意ください。

この記事は2ちゃんねるのCapty!TVスレと、GV-1394TV/M2スレのリンク的役目をするため2004年5/1に公開したものをXHTML 1.0 Strictに準拠させ、内容を変更・追加したものです

DV形式からMPEG系コーデックでエンコードする際、OpenShiivaや、ffmpeg系列エンコーダなどの様々ツールがありますが、いろいろなものを試した結果、個人的にはQT Playerと3ivxをつかったエンコード方法が一番高品質で速い(エンコードスピード・手間暇どちらとも)と思っているので、ほかの方法はあえて説明しませんでした。それらの方法は他のサイト様でお調べください。

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